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●三井住友銀行の本店
●三井住友銀行の本店

 日本の3大メガバンクの一つ,三井住友銀行は2009年3月末,国内約460の全支店において新営業端末「CUTE」の導入を完了した。CUTEは,窓口での事務処理を効率化し,顧客への商品提案力の強化を図る切り札として開発された。

 導入後に実施した検証結果によれば,全社で200人以上の合理化効果が得られたという。また,書類の電子化により年間約2300万枚の紙使用量を削減でき,IT機器の省電力化などと併せて,年間約760トンのCO2排出量を削減できることがわかった。

 「当行は1998年に邦銀で初めて環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得するなど,積極的に環境活動を進めてきた」――事務統括部長の山廣隆文氏は,環境問題を経営課題の重点項目として取り組んできたことを強調する。本社や営業店のエネルギー使用量についても目標を設定して削減に努め,2007年度は2001年度比で6%削減を達成した。

 こうした活動の一環として,2009年6月9日,同行はCUTEを通じた環境負荷の低減活動に継続的に取り組むことを発表した。CUTEのシステム開発を手がけたNEC,OKI(沖電気工業)と共に業務の効率化やペーパーレス化を推進し,削減できた費用の一部を環境保護活動に寄付するという。

窓口業務の変化に合わせシステムを刷新

 三井住友銀行は2001年,旧住友銀行と旧さくら銀行が合併して誕生した。合併当初,事務・システム部門は全社の業務運営を円滑にするインフラ整備に注力した。それが一段落した2005年,事務インフラを再構築するプロジェクトが新たに発足。支店事務の効率化と営業力強化のための新営業端末――CUTEの開発がスタートした。

 銀行の業務システムは,勘定系(入出金や振込などの勘定処理を行う)と,情報系(顧客の属性や取引状況の検索・照会を行う)に大きく分かれる。それまで同行で使用していた営業端末は,勘定系のソフトと情報系のソフトが独立に稼働していた。このため口座番号や科目などの情報をそれぞれ入力せねばならず,窓口で顧客に応対する場合に時間がかかっていた。

●CUTEについて説明する事務統括部グループ長の奥田晃典氏
●CUTEについて説明する事務統括部グループ長の奥田晃典氏

 「金融自由化によって,銀行が扱う商品は,保険や投資信託,証券仲介業務など多様化した。こうした商品を顧客に提案・販売していくには,従来の勘定系主体の営業端末では対応しきれなくなってきた」と,CUTEの開発を担当した事務統括部グループ長の奥田晃典氏は当時の課題について話す。

 従来の端末を使って多彩な商品を売るためには,どうしても運用でカバーすることになる。窓口担当者としては複雑化するフローを覚えきれず,マニュアルを見ながら操作することも増える。このため事務処理に時間がかかり,顧客満足度への影響が懸念された。「当時は,営業店の事務担当者のパート従業員比率が高まりつつあり,初心者でもすぐに操作を習得できるセルフサポート機能も求められた」(奥田氏)。

 さらに,2003年の本人確認法,2005年の個人情報保護法,2007年の金融商品取引法の施行が,窓口担当者の負担増に拍車を掛ける。例えば,口座を開設するために来店した顧客に対して,取引者本人かどうかの確認作業が徹底されることになった。顧客から運転免許証などの本人確認書類を受け取り,席を立ってコピーを取りに行くなどの作業が加わった。

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