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 名刺管理サービス「Link Knowledge」を展開する三三(サンサン)。名刺を切り口に、CRMやSFAの領域に踏み込み、世界的なサービスへの発展を目指す。同社の寺田親弘社長は、現場レベルで「今そこにある課題」を解決するサービスを生み出すには、技術者たちとの対話が欠かせないと強調する。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)

Link Knowledgeとはどのようなサービスか。

 名刺管理のソフトウエアで、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で提供している。利用者は当社が貸し出すスキャナで名刺を読み取るだけで、名刺情報を部署や会社単位でデータベース化し、共有できる。アナログで面倒な名刺管理から開放されるわけだ。データベース化された名刺情報は、CRMやSFAといった用途に活用できる。名刺情報を携帯電話から利用できることも利用者には好評だ。

 名刺情報は、国内の専門部隊が入力している。日本の商習慣において生命線ともなる名刺情報は、正確性が要求されることもあり、完全な自動化が難しい。そのため、データ入力は思い切って人手を介すことにした。米国の投資家などからは、ここがユニークなビジネスモデルとして評価されることも多い。

 当社はまず、名刺情報を軸にB to B(企業間)市場を開拓し、その後にB to Cの(企業対個人)市場へ参入。そして世界市場へ展開するという三段階の長期的な計画を立てている。

 BtoC向けは、2010年から開始する計画で、有料型のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のビジネスモデルで展開する。世界で最も名刺を重視する日本でノウハウを蓄積し、これを世界各国向けにローカライズすれば、多くの需要を集められると考えている。

なぜ名刺情報で起業しようとしたのか。

 起業自体は、父が起業家だったこともあり、幼少の頃から決めていた。三井物産に新卒で入社したのも、短期間に自分を鍛えられると考えたためだ。実際、同社の情報産業本部では、営業、経営管理、新規事業開拓など、幅広く勉強できた。三井物産には心底感謝している。

 Link Knowledgeのビジネスモデルに行き着いたのは、三井物産時代の個人的な経験と、名刺情報の管理はITが活用されていない分野であることを確信したことが大きい。年間50億枚程度の名刺が流通していると言われているが、「名刺情報を有効活用できていない」と感じている人は多いはずだ。

 私自身、営業時代は毎日多くの人に会って名刺を交換したが、そのほとんどが机の中に埋もれてしまっていた。その一方で、苦労して新規顧客を開拓している際、すでに社内の別の人間が訪問していたということも珍しくない。名刺情報を有効活用できていないわけだ。こうした名刺にまつわる諸問題は、ITを活用すれば劇的に効率化が図れる。にもかかわらず、IT化がほとんど進んでいない。

 一方、米国では名刺を日本のように初対面でいきなり渡すことは少ない。初対面で話をした後に、今後も連絡を取ることを前提に交換する。米国では日本より名刺の重要性が低いため、IT化は進まない。世界的に見てもIT化が進んでいない名刺分野であれば、日本発のビジネスを世界的に展開できると判断した。