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斎藤 康弘 氏
伊藤忠テクノソリューションズ ソリューションビジネス推進本部 ソリューション営業第3部 ビジネスソリューション営業2課 課長
斎藤 康弘 氏

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の斎藤 康弘氏は新規顧客や新規分野の開拓にズバ抜けて強いと評判の営業パーソン。2009年3月までは「新規ビジネス開発課」課長として活躍した。4月に所属部署が変わり担当業務が増えた今も,最大のミッションは新規開拓である。

 実は斎藤氏,約16年間にわたる営業としてのキャリアのうち,最初の2年間は別の商社で貿易実務を学び,後に繊維製品の営業という全く別の仕事に従事していた。ヨーロッパのファッションを輸入し,百貨店のセレクトショップに提案していたのだ。

 「『きっとこういうものが欲しいだろう』という市場のニーズと素材メーカーの情報を集め,セレクトショップに商品企画を提案して買ってもらう仕事でした」。斎藤氏は,この仕事で営業という仕事の基本を身に付けた。「業界は違っても,営業なら大なり小なり,これと本質的に同じ動きをしているでしょう」。

 この商社のキャリアで,斎藤氏は目標だった新規売り上げナンバー1を達成する。だがその後,次の目標を持てなくなった。「新しい仕組みを提案するにはファッションの知識で武装しなくてはなりません。ですが,ファッションが好きでたまらない,というほどではありませんでした」。

新規開拓の手腕を磨き大型案件を獲得

 そこで,1999年当時,活況に見えたIT業界に転職する。通信機器メーカーで5年間,CRM(顧客関係管理)製品の営業をしながら,ITや製品,業界に関する知識を覚えていった。IT業界の営業は「企画して提案するという点では繊維業界と同じでしたが,技術者とコラボしないと実現できない点がITならではだと学びました」。

 この会社で,斎藤氏は一貫して新規顧客の開拓を担当した。そして,「未知の顧客や分野を開拓して,顧客と一緒に仕事を作り出す」という成功体験をする。複数の大型案件を獲得していくうちに,それまで,自分なりに組み立ててきた仕事の進め方や考え方に自信を持てるようになった。

 2005年11月に改めてCTCに転職し,CRMという枠を超えた提案ができるようになった斎藤氏は,短い期間で大型の新規案件を獲得,周囲を驚かせた。

 斎藤氏は言う。「提案だけなら誰でもできます。加えて,どうやって競合する他社の営業に勝つかという戦術面の組み立てが必要です」。

 そこで斎藤氏はストーリーを組み立てる。「顧客にどんなソリューションが必要か?」「それはCTCの要員とスキルに見合ったものか?」「その案件にはどんなリスクがあるか?」「CTCにとっての収益は?」などと複数の視点で評価しながら戦術を組み立てる。これが出来て初めて,ただの絵が“提案書”,つまり客に見せられるものになるのだ。

 もちろん,限られた要員やスキルといった営業のリソースで,すべての案件を追うのは得策ではない。案件の勝算や予算規模のほか,付加的なメリット(例えば顧客の知名度が高いか,新しい取引口座を獲得できるチャンスか)などを考えに入れて,優先順位を付ける。

 実際の商談では,もっと人間臭い面もある。「メンタルな面もからんでくるし,駆け引きもある。例えば,競合への思い入れはどうか。客先には競合を推している別の意見もあるから,もっと上司にアプローチすべきか。だが,かえって心証を悪くするのではないか。などとあらゆることを考えます」。

 ここで役に立っているのは,繊維業界での経験だ。「ファッション業界では,同じ赤でも日本とイタリアで違います。『その赤はセンスがない!』などという,理屈では理解できない文句もあります。この経験が,すごくタメになりました」。論理的なイメージのあるIT業界の案件でも,そうでない部分が重要なことがよくあると肌身に染みて分かったからだ。

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転職先でも新規開拓のスペシャリストに

 こうして得た経験や知識,皮膚感覚を基に,斎藤氏は営業プロセスの体系作りや,未開拓領域でのサービス作りなどに取り組んでいる。3月まで課長を務めた新規ビジネス開発課では,データウエアハウス,ビジネスインテリジェンス,Web2.0,グリーンITといった比較的新しい分野のIT技術を,様々な業種の企業に提案していた。

 新規ビジネス開発課は斎藤氏とベテラン営業2人の3人体制。開拓した顧客はタイミングを見計らって顧客の業種・業界別に分かれている各事業部のアカウント営業(顧客企業ごとの担当営業)に引き継いでいた。4月から,担当する業務の幅が広がったものの,新規開拓がメインであることに変わりはないという。