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 名刺交換で受け取った名刺は,きちんと保管します。これは名刺交換をした相手に対するマナーであると同時に,社員としてのマナーでもあります。

 まずは,相手に対するマナーを考えてみましょう。名刺は“ただの紙”ではありません。“相手の顔”と思って大切に扱う必要があります。会社に持ち帰ったら,きちんと保管するのがマナーです。

 “相手の顔”なのですから,片手に持って振ったり,落としたり,捨てたりする行為は,相手との関係や相手そのものをないがしろにしているとみなされます。絶対にしてはいけません。選択肢2の「その場限りだろうと判断し,セミナー会場に名刺を置いて帰る」は,ほとんど捨てる行為に等しいですから,言うまでもなくNGです。

 選択肢3のように,名刺そのものにメモを書くのもNGです。必要なメモであっても,相手の名刺に書き込みをするのは,相手の顔に落書きするようなものなので,失礼に当たります。メモを書き込みたいときは,選択肢Eのように,付箋紙などの別紙に書き込みましょう。

 選択肢4の「営業をしている友人にあげる」は,その人の個人情報を漏えいすることになります。マナー違反以前の問題ですから,これも絶対にしてはいけません。

 次に,社員としてのマナーを考えてみましょう。

 名刺は会社から個人に貸与されているものです。つまり,厳密には会社のものです。あなたが名刺交換をしたら,それは,個人的な関係構築だけではなく,会社同士の関係構築をも意味します。ですから,厳密に言えばビジネス以外の目的で名刺交換したり名刺を渡したりしてはいけません。友人や飲食店の店員に自分の名刺を渡す,といったプライベートな使用は避けましょう。

 異動したときに後任者にスムーズに名刺の情報を引き継げるようにする。これも社員としてのマナーです。そのためには,名刺交換で受け取った相手の名刺を,名刺ケースや名刺管理ソフト,名刺ファイルを使って,しっかり整理・管理する必要があります。選択肢1の「セミナー資料に挟んで持ち帰り,そのままにしておく」は管理ではなく,放置に近い状態ですからNGです。

 名刺をきちんと整理・管理しておくと,名刺情報を容易に探し出せるので,日々の仕事も効率化します。お薦めの管理方法は,名刺ファイルを使って,企業名のアイウエオ順で分類・収納する方法です。取引先以外の名刺は「その他」という分類を作成しておけばいいでしょう。なお,名刺の情報は個人情報に当たります。情報が漏えいしないように,必ず鍵のかかる引き出しなどにしまい,デスク上に置きっぱなしにしないようにしてください。


森 美緒(もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント,産業カウンセラー
1999年,教育出版社に就職し,営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て,2005年にグローバル ナレッジ ネットワークに入社。2006年より現職。ビジネスマナー,プレゼンテーション,コミュニケーションなどのヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。