PR

 米Hewlett-Packard(HP)は2009年7月17日(米国時間),高性能コンピューティング(HPC)/クラウド・コンピューティング向けストレージ・システム用ソフトウエアを手がける米IBRIXを買収すると発表した。プレスリリース配信時点で詳細な買収条件は明らかにしていないが,HPは今回の買収で,企業向けハイエンド・ストレージ分野において米EMCや米NetAppといったライバルに対抗できる力を得る(関連記事:HP,大企業向け分散型ファイル・システムのIBRIXを買収)。

 この買収の主目的は,並列ファイル・システムを実現する高性能ソフトウエア・プラットフォーム「IBRIX Fusion」を手に入れることだ。HPCやクラウド・コンピューティング,負荷の高いその他ストレージ・システム向けに最適化されたNASプラットフォームなどである。IBRIXのWebサイトには,Fusionは「アカデミー賞受賞歴のある4大アニメーション制作会社のうち3社,10大インターネット・サービス・プロバイダのうち1社,1兆ドル規模の金融サービス会社,欧州最大規模のあるデータセンター」に導入された,と誇らしげに書いてある。

 HPは以前からハイエンド・ストレージ・ソリューション市場で,EMCやNetAppと競っていた。こうした市場の状況が,2008年辺りから企業合併/買収を頻発させている。例えば,EMCが米Data Domain,米IBMが米Diligent TechnologiesとイスラエルXIV,米Dellが米EqualLogic,そしてHPが米LeftHand Networksを買収してきた(関連記事:Data Domain,EMCの買収提案に合意,NetAppとの合意を撤回IBM,データ・デデュプリケーション・ソフトのDiligentを買収Dell,iSCSIストレージ・ベンダーのEqualLogicを約14億ドルで買収へHP,iSCSI SANベンダーのLeftHandを3億6000万ドルで買収へ)。

 HPのStorageWorks部門ユニファイド・ストレージ担当副社長であるJeff Hausman氏は,「顧客が必要としているのは,膨大な情報を効率的かつ経済的に管理できる,拡張性の高いストレージ・ソリューションだ。IBRIXを買収することで製品構成を拡充し,対象とする(ハイエンド・ストレージ)分野の要求に応えられる体制を強化していく。そのうえ,IBRIXの拡張性に優れたソフトウエアは業界標準ハードウエアに対応しているため,顧客は既存IT資産を無駄にせず最大限活用できる」と述べた。

 HPはIBRIXの買収手続きを8月中旬に完了できるとみている。また,買収後IBRIX事業を技術ソリューション・グループのStorageWorks部門に統合する予定だ。

 今回の買収に関して1つ疑問が残っている。HPの「PolyServe」製品系列は今後どうなるのだろうか(関連記事:HP,ストレージ・ソフト・ベンダーの米PolyServeを買収へ)。PolyServeとIBRIX Fusionは直接競合していないものの,機能や対象市場の重複がかなり多い。恐らくHPは,買収手続きが進む数週間後に答えを出すだろう。

関連記事(英文):

・「HP PolyServe Database Utility」(「HP PolyServeデータベース・ユーティリティ」)
・「NetApp SnapManager for SharePoint」(「SharePoint用NetApp SnapManager」)
・「EMC opens Data Warehouse Competency Center」(「EMC,データ・ウエアハウス検証センターを開設」)
・「Microsoft and EMC Collaborate to Protect Data」(「MicrosoftとEMC,データ保護分野で協業」)
クラウド・コンピューティングに関する過去記事