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 当研究所では、グローバリゼーションをキーワードに、これからの企業基盤を考えています。第6回では、喫緊の課題である「経費の節減、固定費の見直し」に対する対処法として、IT部門の“見える化”指標を紹介し、前回は、その指標をどのような方法で作成していくかについて説明しました。それについては色々な方から、方法論につい多くの質問が届きました。今回は、これらの質問に答える形で、「Value Point(VAP)」について詳しく説明します。

Value Pointを巡る疑問点

 第7回では、サービスカタログとそれに付随するValue Point(VAP)の定義について説明しました。今回は、サービスカタログとVAPの設定後に、納期遅れや手戻りなどを定義する、次のステップについて具体的に説明したいとおもっていましたが、前回の内容について、次のような質問をいただきました。

(1)顧客の視点で、VAPを設けることは分かったが、具体的にどうすればできるのか?
(2)各事業体によりコスト構造が違うため、「1サービス=1VAP」で良いのか?
(3)1度決めたVAPはそのまま使用し続けて良いのか?定期的に見直すのか?見直すとすれば、その基準はどう決めるのか?
(4)コスト積み上げ方式に慣れてきたIT部門が、コストに直接関連しないVAPを導入しても、継続的に使用できるのか?

 他にも質問はありましたが、いずれも大変に的を射た質問です。VAPについては、筆者が提案している、「“可視化指標による”恒常的な生産性向上」の基盤になる部分です。それだけに、今回はもう少し丁寧に、これらのプロセスを説明します。

 最初に、少しだけサービスカタログについて復習しましょう。

 前回のコラムでは、「定常業務の現行サービスの棚卸し」を行い、顧客・社内顧客の視点から、それぞれが理解できるサービスカタログを作成するというアプローチを提案しました。「IT部門」というお店に来ていただくお客様に対し、お客様が見ても理解できる商品ラインアップを「サービスカタログ」の形で具現化することは、お店側にとっても顧客にとっても大変意義のあることです。

 つまり、サービス部門として位置づけられるIT部門が、「サービスカタログ」を作成することにより、顧客が理解できる言語で提供するサービスを定義できるようになるのです。これで、顧客が理解できないIT部門の「ブラックボックス的サービス」の一部を払拭したわけです。

 そして、サービスカタログを作成した次のステップとして、Value Pointの作成手順に触れました。そこで頂いたのが上記のような質問です。

 すべての質問に共通するテーマは、コスト部門からサービス部門へ移りゆく変革過程の中で、IT部門に所属する社員全員が持っている、従来のコスト部門に慣れきった体質をどう変革していくか、ということでしょう。実際、一朝一夕ではIT部門全体のコンセンサスを社内顧客・顧客指向のValue Pointで測ることは難しいでしょう。IT部門責任者のジレンマが反映された質問であるといえます。