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 問題解決法「アクションラーニング」を組織風土改革に適用し、富士ゼロックス、キリンビールなど大手企業を指導した実績を持つ清宮普美代氏が5月に新刊を発表。リーダーに向け「質問」の重要性を説く。(聞き手は、清嶋 直樹)

「チーム脳」とは何か。

 集団としての思考力を持ち、仕事の成果につなげられるチームの状態を指す。チーム脳を作れるかどうかは、チームのリーダー(上司)がメンバー(部下)の思考と学習を促せるかどうかにかかっている。

 前著『質問会議』(PHP研究所)では、「質問以外の発言を禁止する会議手法」を解説した。この手法はチーム脳を作るうえでとても有用だが、実践するには一定の理解・経験が必要になる。

 本書では、もう少し簡単に実践できるヒントを提示した。リーダーの話し方、特に質問の仕方に焦点を当てている。

リーダーは何をすれば良いのか。

 「自分は“正解”を知っている」という思い込みを捨てて、メンバーと一緒に考える姿勢が不可欠だ。リーダーは通常、組織内で一番成果を上げた人、経験が長くて仕事をよく知っている人が務める。必然的に、自分が知っている正解をメンバーに教えたくなる。

 しかし変化が激しい時代には、リーダーが知っている正解は既に通用しないことが多い。通用したとしても、正解を押し付ければ、チーム全体はリーダーの力量を上回る思考力を発揮できない。メンバーのやる気もそがれる。

 しかも、子供とは違い、大人は教わることによる学習効果が薄い。それよりも、自らの意志で進んで具体的な経験をした時に学習が進むということが、教育学的に実証されている。

どうすれば学習を促せるのか。

 鍵を握るのは会議などの場における質問だ。会議での発言には「意見」と「質問」がある。リーダーが意見ばかりを言うと、「自分の意見=正解」をメンバーに配布する場になり、メンバーは自分で考えなくなる。

 質問にも効果的なものとそうでないものがある。「はい」「いいえ」で答えさせる「クローズ質問」を多用するリーダーは要注意だ。「○○は調べたのか」「△△社は訪問したのか」という質問は、質問をしているようでいて、実は「○○を調べるのが正解だから、とにかく調べろ」と命令しているのと何ら変わらない。クローズ質問は事実関係を把握するうえで必要だが、最小限にとどめたほうが良い。

 効果的な質問を、私は「共鳴質問」と呼んでいる。短く、肯定的に質問することに加えて、意外と忘れられがちなのが「視点を未来に置く」ということだ。「どうして納期に間に合わなかったのか?」と質問するよりも「どうすれば、二度と納期に遅れないようにすることができるだろうか?」と質問するほうが、内容は同じでも共鳴を生みやすい。

「チーム脳」のつくり方

「チーム脳」のつくり方
清宮 普美代著
WAVE出版発行
1575円(税込)


清宮 普美代(せいみや・ふみよ)
米ジョージ・ワシントン大学大学院で問題解決法「アクションラーニング」の権威であるマイケル・J・マーコード教授に師事し、帰国後、日本アクションラーニング協会を設立。