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 米Microsoftの次期サーバーOSであるWindows Server 2008 R2は,5月にRC(Release Candidate:製品候補)版が登場して開発が最終的な局面に差し掛かったのち,7月に無事完成した。Microsoftのグループ・プロダクト・マネージャを務めるWard Ralston氏は先日,ブリーフィングの中で「今は,簡単な点検をして,評価を行うべきときだ」と筆者に話してくれた。Microsoftは既に,パフォーマンスについて話す準備を整えている。彼らが筆者に見せてくれたパフォーマンス比較例はそれほど多くなかったが,今後その数は増えていくだろう。

ファイルを自動的に分類管理するFCI

 Windows Server 2008 R2は,Windows Serverシリーズの機能を劇的に高める意欲的なリリースだ。Windows Server 2008 R2には,注目すべき新機能が多数含まれている。5月に公開されたRC版をベースに,それらの新機能を紹介してみよう。

 そのうちの1つが「File Classification Infrastructure」(FCI)である。FCIは,ファイルに付けたラベルとプロパティを使って,ビジネス・データを分類するものである。Windows Server 2008 R2では「ファイル・サーバー・リソース・マネージャ」(FSRM)に追加される形で,そのためのインフラと分類に応じてポリシーを適用する機能を提供している。このFCIを使うことで,ユーザーはスケジュールなどの基準にしたがって,該当するファイルを移動や削除するようなルールを作成できる。

 FCIは,Microsoft SharePointと互換性がある。また,完全に自動化されており,サードパーティによる拡張も可能だ。

プロセッサの異なるサーバー間でもLive Migrationが可能

 Microsoftは,Windows Server 2008 R2の前バージョンであるWindows Server 2008では,同社の仮想化技術「Hyper-V」のプレリリース版を同こんして出荷した。その後,2008年に最終版のHyper-V 1.0をリリースし,Windows Server 2008のユーザーは無償で利用できる(Hyper-V 1.0は,5月に顧客向けに出荷されたWindows Server 2008のSP2にも同こんされている)。

 新しいWindows Server 2008 R2に搭載する「Hyper-V 2.0」には,長らく待望されていた「Live Migration(ライブ・マイグレーション)」機能が搭載されている。RC版では,論理プロセッサのサポートに変更が加えられた。ホストのWindows Server 2008 R2が利用できる256個の論理プロセッサのうち,Hyper-V 2.0は最大で64個を利用可能だ。これらの論理プロセッサは,必要に応じてHyper-Vの下で動作している仮想マシン(VM)に割り当てられる(ちなみに,Windows Server 2008でもサポートできる論理プロセッサの数が最初の出荷時の16個から24個に増えている)。

 Microsoftは,RC版のHyper-V 2.0でLive Migration向けのプロセッサ互換性モードを追加した。これまでは,ファミリとバージョンが同じプロセッサを実行しているサーバー間でしか,Live Migrationは実行できなかった。つまり,一方のサーバーがIntel Core 2 Duo上で動作している場合,もう一方のサーバーもIntel Core 2 Duo上で動作している必要があった。それが,RC版ではプロセッサのファミリが異なるサーバー間でも,Live Migrationを実行できるようになったのだ。Microsoftによると,同社は今後のリリースで,AMDベースとIntelベースのサーバー間でのクロス・マイグレーション機能を追加する予定だという。

TCPオフロードなどの機能もオプションで利用可能に

 Hyper-V 2.0の「VM Chimney」は,TCPオフロードのサポートをVMに提供することにより,ユーザーがホスト・コンピュータ上の物理NICにVMをマッピングして,仮想インタフェースを迂回できるようする。これにより,パフォーマンスを向上させる。Microsoftによれば,VM Chimneyはデフォルトでは無効になっているものの,Microsoft SQL Serverのバックアップや復元,Live Migrationなどのシナリオにおいては,劇的なパフォーマンスの改善を実現するという。

 さらに,RC版では「Microsoftは,Virtual Machine Queue」(VMQ)機能も追加した。現在,VMQに対応したハードウエアを製造しているのがIntelのみなことから,この機能もデフォルトでは無効になっている。一方,Qualcommもこの市場への参入を発表した。VMQを利用すれば,ユーザーはユニークな仮想ネットワーク・キューを作成し,ネットワーク・パケットをハイパーバイザからVMに渡すことができる。

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