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野村総研(上海)

 中国の3Gサービスは,中国移動がTD-SCDMA方式,中国聯通がW-CDMA方式,中国電信がCDMA2000方式を採る。これらは,現時点でどの程度のパフォーマンスを発揮し,どんな使用感を得られるのか。筆者の体験とインターネットの情報から,3社の通信サービスをレビューした(表1)。

表1●中国携帯電話3社の第3世代携帯電話サービスの実測
実効速度は1M ビット/秒程度とほぼ同じだが,安定性で差がでた。
表1●中国携帯電話3社の第3世代携帯電話サービスの実測

起伏少ない中国移動のTD-SCDMA

 中国独自の通信方式TD-SCDMAのHSDPA(high speed downlink packet access)は理論上,下り最大2.8M ビット/秒を達成できる。北京でのテストによると,平均速度が960kビット/秒という結果が出ている。

 ネットワーク接続スピードは安定しており,大きな起伏がない。北京市内のカバーエリアは広く,地下スペースやいくつかの場所ではTD-SCDMAでは通信できず,GSMに切り替わったが,ほとんどの場所で問題なく通信できた。理論上の通信速度は,他方式に劣るが速度がそれなりに出ているのは,いち早く基地局建設に着手できたことが大きいようだ。

進捗遅い中国聯通のW-CDMA

 中国で展開されているW-CDMAのHSDPAは下り最大7.2M ビット/秒だ。2009年4月28日,中国聯通が3Gブランド「沃」の発表会を実施したが,その会場で実測したところ,5.3M ビット/秒の速度を記録した。

 広州のユーザーによると,一般的に下り速度が最大,2.4M~3.2M ビット/秒程度,平均値が900kビット/秒だという。通信速度の安定性とエリアには問題がある。通信速度は場合によっては10kビット/秒前後に下がることもあった。密閉度の強い室内などでは全然通信できないことも多い。

安定する中国電信のCDMA2000

 CDMA2000 EV-DO Rev.Aの理論的な下りの最大速度は3.1M ビット/秒である。実効速度の平均値は広州で,1.3M ビット/秒となった。聯通のW-CDMAとは異なり,通信速度は非常に安定して,カバー率も高い。接続の中断や速度の極端な低下にもほとんど遭遇しなかった。

葛島 知佳(くずしま・ともよし),吉永 欣栄(よしなが・きんえい),許 文(XU Wen),周 睿(ZHOU Ray),羅 凡(LUO Fan),林 継哲(LIN JiZhe),横井 正紀 (よこい・まさき)
野村総研(上海)
野村総研(上海)は野村総合研究所の中国現地法人。本稿の執筆チームは野村総研(上海)で,中国の情報・通信産業を担当しており,日本企業,中国企業,中国政府系団体に対してコンサルティングを行っている。