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 原題の「Scrappy」の日本語訳であり、本書で何度となく登場するフレーズが「ど根性」だ。本書はプロジェクトマネジメントの理想と現実のはざ間を描きながら、「ど根性」でプロジェクトを乗り切る12の原則を示す。

 実のところ、意外な原則は一つもない。顧客第一、計画策定が成否を分ける、コミュニケーションを密にせよ、といった具合だ。

 著者は独特のユーモアあふれる言い回しで「ど根性」の意義を説く。例えば「チーム全員がハートで約束するような、実行可能な計画とスケジュールを作れ」。著者いわく「計画を怠れば、失敗は怠らずにやってくる」。にもかかわらず、忙しく立ち働くことは「あたかも進捗しているかのごとき感覚を作ってくれる誘惑」であり、「忙しいことは実に気分がよい」のである。

 ここに著者の言う「ど根性」を発揮する必要がある。「1ナノ秒でいいから立ち止まって考え、あくまでその後で動き出す」という計画プロセスを、繰り返し訴えるべきだと説く。

 英語独特の冗長な記述が気になるが、思わずニヤリとしたりハッと気付かされたりするフレーズが満載。IT部門だけでなく、組織で働く社会人全般に薦めたい。

土壇場プロジェクト成功の方程式

土壇場プロジェクト成功の方程式
キンバリー・ウィーフリング著
田中 健彦訳
日経BP社発行
1680円(税込)