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 関西電力が2008年11月から、新しい電力計量メーターの設置を始めている。通信機能を持つ、いわゆる“スマートメーター”だ。実証実験の位置付けながら、2009年7月末までに9万台を設置済みで、スマートメーターの利用規模としては、他に類を見ない。モジュール構造を採り入れることで、家庭への電力供給を止めることなく、計量メーターの機能を交換・拡張できる。

「スマートメーター」の先駆け

写真1●関西電力が導入を進めている「新計量システム」の新型メーター
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  新型メーターは、各世帯の電気使用量を計測し、そのデータを30分単位で自動的に関西電力に送信する(写真1)。このような通信機能を備えた計量メーターは「スマートメーター」と呼ばれる。エネルギー業界における研究・開発が活発になっている(関連記事「ガスメーターを“スマート”に変える無線技術」)。関西電力が導入を始めた新型メーターは、このスマートメーターの先駆けだと言える。

 スマートメーターは、増加傾向にある一般家庭におけるCO2(二酸化炭素)排出量の削減につながると期待されている。電気やガスの使用状況を“見える化”するからだ。関西電力では2009年7月から、新型メーターを設置した顧客が申し込めば、Webサイト上で電気使用量を1時間単位で確認できるサービスを始めている。

 関西電力が新型メーターを導入した最大の狙いは、検針業務を改善だ。国内の電力・ガス会社は現在、検針担当者が月に一度、顧客宅にあるメーターを直接確認し、顧客に通知するというプロセスを採用している。計量メーターをITで結べば、検診担当者が出向かなくても、30分や1時間といった単位で使用量を把握できるようになる。

 しかし、新型メーターのメリットはそれだけではない。関西電力 電力流通事業本部の井村英樹ネットワーク技術高度化推進グループチーフマネージャーによれば、「毎月の検針業務はもちろん、引っ越し時のメーター設定なども、顧客宅まで行って作業しているのが現状だ。ITを利用することで、遠隔地から実施できるようになる」。さらに、電力インフラの設計にも役に立つ。顧客の電気使用量が30分単位で分かれば、電柱に設置する変圧器の配置を最適化できる。