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LTEがアクセス環境を一変させる

 そのモバイル環境に目を向けてみると、かつてはPHSが一般的でした。唯一PHS事業者として残ったウィルコムがマーケットを広くおさえていました。それが、ケータイの3G化に伴い、データ通信速度がメガクラスまで高まってくると、PHSである必然性がなくなりました。

 その3Gも当初は、NTTドコモの独壇場でしたが、一時的に速度優位があったKDDI(au)が市場を侵攻しはじめ、次いで新興モバイルキャリアであるイー・モバイルが、自社サービスだけでなく、IIJなど企業ネットワークに強いプレーヤーと組んで提供するMVNOサービスで、市場を席巻しています。現在のデータ通信市場ははまさに、新規参入者によるシェアの「草刈り場」になっています。

 さらに、屋内ネットワークで一般的であったWiFiが公衆無線LANサービスとして整備されました。それを活用したゲームや音楽配信のアプリケーションが整うにつれ、枯れかけたと思われた公衆無線LANも主要アクセス手段として外せない状態になったのです。ビット単価で比較すると圧倒的に安い公衆無線LANは、接続エリアを問題にしなければかなり現時点では魅力的なサービスといえます(図2)。

図2●モバイルアクセス手段別にみた速度当たり単価の比較
図2●モバイルアクセス手段別にみた速度当たり単価の比較
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 2009年7月に商用サービスが始まったUQコミュニケーションのWiMAXサービスも、現時点では厳しい評価ながら、2010年以降は企業ユースが可能になるレベルまでパフォーマンスが向上するはずです。今後、モバイルアクセス環境の選択肢は飛躍的に広がることが想定されます。

 将来的には2010~2012年に各キャリアがサービス開始する予定の「LTE(Long Term Evolution)」と呼ばれる3.9世代の携帯サービスが、100メガビット/秒超のハイスピードアクセス環境を実現されます。これにより、モバイルデータ通信だけでなく固定通信まで含めたアクセス回線の世界が、一新されることでしょう。

 ただし、それは固定アクセス回線がいまだに様々な回線、サービス品目を残していること、あるいは残さざるを得ないことと同様に、既存のすべてのモバイルアクセスが高速サービスに収斂されるわけではありません。最終的には、業務上の利用目的・利用形態とトランザクションボリューム、そしてそれに対して提供されるサービス品質と価格によって、バランスが取れるところに決まってくるのです。