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多様化するモバイルデバイス

 では、モバイルデバイスの形態、関連するミドルウエアやアプリケーションまでを含めたモバイルソシューション全体を、概略レベルでカテゴライズしてみるとどのようにとらえられるでしょうか。

 最も低位レイヤーとなるアクセスデバイスとしては、NotePC、ネットブック、PDA (Personal Data Assistant)/UMPC(Ultra Mobile PC)、MID (Mobile Internet Device)、スマートフォン、携帯電話があります。これらのデバイスは、ネットにつながることを前提に垣根がなくなりつつあり、これらを区分すること自体、今後はあまり意味がなくなるでしょう。2007年のiPhone登場によるスマートフォンの企業利用の加速や、2008年のAndroid搭載携帯電話の発売、2009年の台湾エイサーによるAndroid搭載PCの発表、そして2010年後半に登場するであろうグーグルのChromeOS搭載PCなどの登場が、それを証明しています。

 次に、レイヤーを上げていくと、(1)デバイス側アプリケーションを提供するプレーヤー、(2)VPN/ウイルス対策などセキュリティのプレーヤー、が存在します。企業側では(3)(1)の対向となるRAS (Remote Access Services)のプレーヤーと(2)の対向となるミドルウエアのプレーヤー、(4)基幹システム側のモバイルアプリケーション提供プレーヤー、が存在します。

 (1)は往々にしてキャリアとの結びつきが強く、キャリアと連携したソリューションになっていることが多いのが特徴です。(1)(2)ともに、デバイス側だけでなく、企業内側で対向するシステム側にもアクセスを受け付ける側としてのアプリケーションが必要な点が見逃せません。デバイス側と企業システム側で双方のアプリケーションが必要になれば、双方をまとめてプラットフォームとして提供したいというニーズも高くなるでしょう。

デバイスとクラウドの連携を前提にする

 また(1)については、Webアプリケーションにすることで、デバイス側に特定アプリケーションが不要なことが既に一般的です。そうなると、どこにサーバーがあっても、どんなデバイスやネットワークでも共通してサービス提供するプレーヤーが出てくるでしょう(図3)。例えば、米シマンテックや米トレンドマイクロといったウイルス対策の主要プレーヤーは、デバイス側ソリューションも、エンタープライズ側ソリューションも提供している典型的なプレーヤーの例です。

図3●モバイルソリューションのカテゴライズ
図3●モバイルソリューションのカテゴライズ
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 企業の情報システム担当者としては、これらすべてのデバイス、ソリューションに対応する必要はありません。ですが、重要な着眼点としては、この「デバイス側と企業側システム側で連携し、一部機能重複したソリューション」が必要な点です。全ての機能をどちらかに持たせればよい、という極端な話にはなりにくいのです。

 自社システムにとって必要な業務機能別(組織別ではなく機能単位に分解することが必要)にアプリケーションやミドルウエアを整理することと、デバイスがアプリケーションを搭載せずWebアクセスをベースに想定した利用環境になるというトレンドを読むことで、これまで想定し得なかったアプリケーションの構築が可能になります。

 特に、デバイスと企業側双方で必要なアプリケーションや機能であれば、基幹システム上、またはクラウド上に構築してしまえば双方で大きなアプリケーションを持つ必要性がなくなります。アンチウイルスを考えてみれば、例えばトレンドマイクロは、基幹システム側のセキュリティサーバーではなく、クラウド上のパターンファイルを参照させることでセキュリティサーバーへ問い合わせるためのクライアント対サーバー間のトラフィックを60%上削減しています(発表資料)。機能の共通化を図った好例と言えるでしょう。