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 早ければ2015年にも日本での全面適用が予想される国際会計基準(IFRS)を巡る動きが激しい。日本でのIFRS対応の支援体制が急ピッチで整備される一方,IFRSへのコンバージェンス(収斂)項目の1つである工事進行基準がなくなる可能性も浮上している。

「のれん」「包括利益」のコンバージェンスを前倒し

 9月に入り,企業の会計基準などを決めている企業会計基準委員会(ASBJ)がIFRSへのコンバージェンスに関する最新の「プロジェクト計画表」を,IFRSのアダプション(強制適用)の課題解決に取り組むIFRS対応会議が今後の活動に関するロードマップをそれぞれ示した。

 プロジェクト計画表では,「のれん」や「包括利益」などの項目を2010年に前倒しすることなどを新たに示した。IFRS対応会議のロードマップでは,IFRS日本語版の年内出版を目指すことや,2015年までの活動計画を示した。

ASBJがIFRSコンバージェンスの新計画表,2011年に退職給付の新会計基準

IFRS対応会議がロードマップ公表,IFRS日本語訳は09年末に登場予定

ASBJや経団連が「IFRS対応会議」設置,強制適用時の課題を検討

 IFRS対応準備を支援する動きも激しい。日本公認会計士協会がIFRS専門サイトを開始した一方,大手ベンダーがIFRS支援体制を整備している。人材の求人サイトも登場した。

自社の対応ノウハウも提供,SAPジャパンがIFRS相談窓口設置

人材紹介のJACがIFRSに特化した求人サイト開設,早期適用企業へ紹介

「松竹梅」の3段階でIFRS対応を支援,アクセンチュアが新サービス

2カ月でロードマップ策定,日立コンサルがIFRS導入支援サービス

工事完成基準になる可能性も

 IFRSに適用に向け準備が進む一方で,IFRSにはまだ不確実な要素が少なくない。IFRSの基準自身が現在進行形であるからだ。

 中でも影響が大きそうなのは,「工事進行基準」がなくなる可能性が浮上していることである。IFRSにおける収益認識の基準と必ずしも整合性が取れてないとの指摘があるからだ。今後の議論には注目する必要があるだろう。

「工事進行基準は再びなくなる可能性も」---関西学院大学の平松教授

「進行基準は維持すべき」,ASBJがIFRSとのコンバージェンスで論点整理公開

キーワードで理解するIFRS:工事進行基準

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