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NTTデータ 代表取締役社長 山下 徹氏
NTTデータ 代表取締役社長
山下 徹氏

 景気低迷を受けて企業のIT投資意欲が低下している。国内の調査会社が昨年11月、企業のCIOを対象に実施した2009年度IT投資意欲調査によれば、IT投資を減らすと答えた企業は約半数。また、別の調査会社で今年1月実施した世界各地域のCIOに対するIT投資の意識調査では、日本企業は前年比マイナス7%という結果が出た。

 金融危機で大きな影響を受けた米国の企業でさえ、わずかながらプラスの意向を示しており、日本企業のIT投資意欲は世界の地域に比べ消極的と言わざるを得ないだろう。

 こうしたIT投資に対する日本企業の消極的な姿勢は、大いに問題があると思う。不況であっても戦略的IT投資を積極的に行い、売り上げを伸ばしている企業が少なくないからだ。

 例えば、スウェーデンに本拠を置くアパレル企業は、独自に開発したシステムを活用してバリューチェーンの最適化を世界規模で行っている。世界各地の店舗から収集した販売データを、商品の受発注やSCMに利用するのみならず、リアルタイムで商品開発に反映している。同じ商品を二度作らないことによる新鮮でハイレベルなデザインと手頃な価格設定により、売り上げを拡大している。

 また、戦略的なIT活用で顧客への商品提供のスピードアップを図り、売り上げを伸ばすハンバーガーチェーンや、新品と中古の書籍を組み合わせ、シリーズ全巻の「まとめ買い」で新たなビジネスモデルをつくり出したオンライン書店もある。これらの企業は、IT活用が競争力向上の必要条件となっている。

変革のパートナーとして企業の期待に応える

 こうした成長企業やヒット商品には、大淘汰時代を勝ち抜くための共通する特徴がある。ITを活用したビジネスモデルの転換、あるいは変化への迅速な対応といった、企業競争力を高める戦略的IT投資を積極的に行っているのだ。

 それでは、お客様とともに大淘汰時代を勝ち抜くには、われわれIT企業はどうあるべきか。

 私は常々、社員に「ITシェルパ」になることを伝えている。嵐が吹き荒れるような厳しい経済状況の中で、シェルパとして企業の経営をしっかりサポートする。そして、企業とともに嵐を耐え抜き、嵐が過ぎ去った後で企業が飛躍できるよう、システムの企画・提案を積極的に行う。これがITシェルパとしての使命であると考えている。

 そのため、企業のビジネスモデル転換の要望に対し、われわれは変革の推進力にならなければならない。また、変化への迅速な対応に向け、われわれ自身にもスピードアップが求められている。いくらいいシステムを提案しても、実現するまでに時間がかかるようでは企業の競争力向上に最大限貢献したとは言えない。そこで、迅速にシステムを提供するパワーが従来に増して重要になる。

 だが果たして当社は、企業の変革のパートナーでありえるのか。当社が毎年実施している「NTTデータお客様満足度調査」には、企業の業務において当社はどのような立場で貢献しているか、という設問がある。昨年度、「事業パートナー」または「ITパートナー」という回答が半数を超えるという結果が出た。これに対してシステムインテグレータという回答は、4分の1にも満たない。これはとてもうれしいことである。今後も変革のパートナーとしての力を高め、企業の期待に応え続けていくことが、当社の責務と考えている。

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 変化のスピードが加速する今日、企業活動を支えるシステムの開発にも、より一層のスピードが要求される。差別化要因となる企業独自のシステムはシステムインテグレーションによるオーダーメイド開発が適している。だが、これまで開発が長期に及ぶこともあり、企業が競争優位を獲得するまでに時間がかかる問題もあった。

開発のスピードアップで企業の競争力強化を支援

 そこで当社は、スピード開発に取り組んでいる。その1つに、ソフトウエア開発の自動化がある。例えば、フレームワークを再利用すれば、新規業務、新規開発が容易に行える。こうした汎用型のほか、特定の業種・業務に範囲を絞った特化型がある。ソフトウエア開発を可能な限り自動化することで、オーダーメイドシステムの開発期間を短縮する狙いだ。

 世界中のNTTデータグループのリソースを最大限に活用し、日本、アジア、欧州の3極体制で24時間の開発を実験的に始めているところだ。従来のオフショア開発から、3極で時差を利用したワークシェアリングをする。「24時間眠らない」開発を行い、納期短縮を目指している。

 さらに、企業のグローバル化に対応するため、当社ではアジア、欧州、北米の21カ国・60都市で事業を展開中である。現地でのシステム開発だけでなく、グローバルなサービスやナレッジなどの提供を通じ、海外でビジネスを広げる企業を支援していく。

 日本のIT企業は、欧米流のソフトウエアパッケージと、新興国の安価でかつ優秀なエンジニアの労働力を前にして、より付加価値の高いソリューションが求められている。NTTデータは、変革のパートナーとして自らの変革を推進しながら、企業の戦略的IT投資を強力にバックアップしたいと考えている。