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 今回も,アルバイトの鶴橋さんとの会話から,8月に売れた書籍を振り返っていきましょう。

「待たせてごめんなさい」
「フロア長との話済んだ?鶴橋さん。ずいぶん長かったね。で,聞いてよ,こないだコンピュータ書出版社さん主催の書店向け講習会に行ってきたんだ。来月はもうWindows 7の発売があるからね。それの販売対策も考えなければいけないし」
「それって行くと,なんかお菓子とか出るんですか,小林さん?」
「いや,水だけだった。Windows 7の評価は,まあおおむね良好,といったところかな。軽快で起動も早い,安定性が第一のウリ。その新OSの発売に合わせて,10月22日にはいろんな版元から関連書籍が発売になる。その前後に刊行される分と合わせて,20点ぐらいにはなるのかな。フェアの形にするには十分な数だね」
「ふうん」
「ただ不安要因もいろいろ。最大の問題はOfficeが新しくならない,という点だね。Office 2010の発売は来春と言われてるけれど,まあ人によってはそこでもう一度ビジネスができるという意見もある。それと,軽快で安定と言ってもVistaと比較した時の話で,XPのユーザーは果たしてどこまで新OSに魅力を感じてくれるか」
「ふうん」
「まあ,とにかく僕もコンピュータ書担当として,初めて新OS発売の現場に立つことになるから,がんばらないと。ねえ,鶴橋さん,聞いてるの?元気ないね。まだ夏バテなの?」
「あ,いや」

「さて,8月のベストだ」
「今日は,わたしが読み上げますね」

1.情報セキュリティ読本 改訂版(実教出版)
2.WEB + DB PRESS Vol.52 (技術評論社)
3.イライラ解消! エクセル即効ワザ99 (日本経済新聞社)
4.応用情報技術者合格教本 平成21年度[春期][秋期] (技術評論社)
5.ITIL V3ファンデーション (翔泳社)
6.クラウド大全 (日経BP出版センター)
7.ITサービスマネジメントの仕組みと活用 (ソーテック社)
8.クラウドコンピューティング入門 (インプレス)
9.iPhone Style Book OS 3.0対応版 (毎日コミュニケーションズ)
10.情報処理技術者試験学習書 システムアーキテクト 2009年版 (翔泳社)

「『情報セキュリティ読本 改訂版』は新刊。情報セキュリティ教育のための教科書だね。旧版は2004年に刊行されて以来,長く売れ続けてきた定番商品だけど,このたび大幅に内容を書き直した。姉妹本の『情報セキュリティ教本』は今年の3月に改訂版が出ていて,同様によく売れているね」
「7月に1位だった『イライラ解消! エクセル即効ワザ99』は文庫だし,まだまだ行けそうかな。4位,10位には時節柄,情報処理技術者試験関係の本が入ってきてますね」
「秋期試験は来月だからね。電気の方でも第一種電気工事士の試験が10月の頭だし,今が売れ行きのピークだ。毎回言ってる気がするけど,この時期,売れてる本から版元品切れになっていくから,商品補充に気が抜けないよ」

「あとはITIL関連にクラウドですね」
「たぶん来月のベストには顔を出すだろうけれど,インプレスジャパンの『クラウドを実現する技術』の動きが非常に良好。ジョルダンから出た『クラウドコンピューティングバイブル』も売れてるし。点数が出すぎて少々煮詰まってきちゃったかなという感じがしてた『クラウド』の分野だけど,まだまだ需要があることが確認できたね。あと,7月に初登場4位だった『ITIL V3ファンデーション』は今月も5位と順調に売れている。この本は絶対ロングで行けるよ。こういう定番化してくれる書籍が出てくるっていうのは,書店員としては嬉しいね」
「はあ」

「なんにせよ,Windows 7の発売はあるし,年賀状CD-ROM素材集も大量に入ってくるし,鶴橋さんも呑気に季節外れの夏バテなんかしてる場合じゃないよ。ついてはね,鶴橋さん,年賀状の在庫管理,来月からやってくれない?」
「あ,それ,無理です」
「え?」
「それと,新OSの販売も手伝えそうにない感じで」
「何,言ってんの?」
「悪いとは思ってるんですけど,フロア長の了解もいただきましたし・・・」
「待って,まさか,鶴橋さん,・・・このバイト辞めるなんて言い出すんじゃないですよね?」
「・・・はい」
「ウソー」

 「書店担当者が教える今月の売れ筋」は今回が最終回です。長らくご愛読いただき,ありがとうございました。注:アルバイトの鶴橋さんは架空の人物です。