PR
長谷 和幸(ながたに かずゆき)
アイテック情報技術教育研究所 主席研究員

 今回,取り上げるテーマは,IPv4とIPv6である。ネットワークスペシャリスト試験の前身に当たるテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験では,IPv4に関する問題が中心で,IPv6関連問題はまだ少ない状況だった。しかし,IPv4アドレスの枯渇問題が深刻化しており,ネットワークスペシャリスト試験においてもIPv6に関する出題が多くなっていくと予想される。午後問題にはこれまで出題されていないので,当面,IPv6については午前試験レベルの知識を中心とし,午後試験対策としては,IPv4に関する技術知識をしっかりと勉強していくほうがよいだろう。

 IPv4といっても勉強する範囲は極めて広い。そこでIPルーティングに関する基本的な知識を把握することから始めよう。

 インターネットなどのTCP/IPネットワークにおいて,送信元のホストとあて先のホストが通信するには,IPアドレスが必要だ。クライアントPCをネットワークに接続すると,多くの場合,DHCPサーバにアクセスしてIPアドレスやサブネットマスク,デフォルトゲートウエイのIPアドレスといったアドレス情報を配布してもらう。

 しかし,PCはDHCPサーバのIPアドレスはもちろん,どこに存在しているかも知らないはず。それなのに,どうやってDHCPサーバと通信しているのだろうか──。こうした疑問を解決するように勉強していけば,DHCPの複雑な仕組みも理解できるようになるだろう。このほか,CIDR,アドレス変換,VRRPIPマルチキャスト,IPv4とIPv6の共存技術など,克服すべき課題は枚挙にいとまがない。

 この中から今回はCIDRについて解説していこう。

問題

問1 IPv4のアドレス割当てを行う際に,クラスA~Cといった区分にとらわれずに,ネットワークアドレス部とホストアドレス部を任意のブロック単位に区切り,IPアドレスを無駄なく効率的に割り当てる方式はどれか。

ア CIDR     イ DHCP
ウ DNS      エ NAPT

問2 可変長サブネットマスクを利用できるルータを用いた図のネットワークにおいて,すべてのセグメント間で通信可能としたい。セグメントAに割り当てるサブネットワークアドレスとして,適切なものはどれか。ここで,図中の各セグメントの数値は,上段がネットワークアドレス,下段がサブネットマスクを表す。

問3 IPv6においてIPv4から仕様変更された内容の説明として,適切なものはどれか。

ア IPヘッダのTOSフィールドを使用し,特定のクラスのパケットに対する資源予約ができるようになった。
イ IPヘッダのアドレス空間が,32ビットから64ビットに拡張されている。
ウ IPヘッダのチェックサムフィールドを追加し,誤り検出機能を強化している。
エ IPレベルのセキュリティ機能(IPsec)である認証と改ざん検出機能がサポート必須となり,パケットを暗号化したり送信元を認証したりすることができる。

問4 IPv6に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア IPv6ホストをIPv4で経路制御されたネットワークで通信させるために,IPv4互換アドレスが定義されている。上位96ビットにすべて1を,下位32ビットにIPv4アドレスを用いる。
イ IPアドレスの表記には,10進数だけが用いられる。
ウ IPアドレスを端末に自動設定することが可能である。
エ IPヘッダのアドレスフィールドを拡張したので,IPv4と比較するとルータによるデータ中継処理の遅延が増加する。

(平成19年および平成20年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験午前問題から抜粋)

●この問題を別ウインドウで表示