PR

 デジタル回路を設計するうえで欠かせない知識を詳細に解説した専門書。米Intel製CPU(Central Processing Unit)のItaniumやPentium 2プロセサの回路設計者として有名なDavid Money Harris氏が著した本だけあり,入門者は少し難解に感じるかもしれない。しかし,内容は0/1(ゼロ・イチ)で表現する2進数や論理ゲートの説明など,基礎から解説しているので,じっくりと読めばデジタル回路の仕組みや設計方法が理解できる内容になっている。

 この本には大きく二つのテーマがある。一つは,デジタル回路設計の基礎知識を習得すること,もう一つがデジタル回路の構成と設計を覚えることだ。現在,大多数の商用システムは回路図ではなく,ハードウエア記述言語(Hardware Description Language,HDL)で記述される。そこで,この本では代表的なHDLであるVerilogとVHDLを用いて,デジタル回路をプログラムで表現することを学習する。回路図とプログラムを対比しながら解説しているので,初めてVerilogとVHDLという名前を聞いた人もすんなりと理解できるだろう。さらに,古典的なMIPSのアーキテクチャから現在利用されているマイクロ・アーキテクチャまで,プロセサ・アーキテクチャを幅広く解説しているのも特徴だ。

 章末の演習問題の数も多く,すべてを解きながら読み進めるのには多くの時間を要する。しかし,基礎からしっかりと学びたい理系学生やコンピュータ・アーキテクチャの知識が必要な社会人にはお薦めの一冊と言えるだろう。

ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ

ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ
David Money Harris/Sarah L. Harris著
天野英晴/鈴木貢/中條拓伯/永松礼夫訳
翔泳社発行
5040円(税込)