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 これまで5回に分けて、ソリューションビジネスの顧客満足(CS)の重要性について紹介してきた。今回は全社的な取り組みや仕組みについて改めて解説する。顧客が満足しているというのは、不満でないと感じる状態とは異なる。要望や苦情への受け身の対応だけでなく、満足度を向上させる計画的な取り組みが必要になる。



 顧客を満足させるためには受け身ではなく計画的、積極的な取り組みが必要だ。不満の解消にとどまらず、顧客の満足を真に向上させるためには、自社に最適な顧客の声の収集方法、計画的な満足開発の仕組み作り、経営層からの明確なメッセージの発信、の3点が重要になる。

独自の手法で生きた声を収集

 経営や業務にかかわる顧客の課題を正しく認識し、解決するのが、ソリューションプロバイダのビジネスである。これを可能にするために、顧客を深く理解する必要がある。

 ソリューションビジネスでは、営業担当者が顧客満足の“要”になるが、営業担当者だけに役割を委ねると、顧客の問題認識やニーズ把握にかたよりが生じかねない。このため、多くのソリューションプロバイダは独自の顧客理解方法によって、より深く多角的に顧客を理解しようと務めている。

 代表的な例が、調査票やWebを活用した定期的な顧客満足度のアンケートである。アンケートだけでなく、重要な顧客には第三者による訪問インタビューを実施する企業も増えている。

 広く浅く尋ねる手段としてアンケートは適しているが、具体性や真意など深みのある情報を収集するのには向いていない。より具体的な顧客の声を得るのが、インタビューの目的である。

 たとえ1社の意見でも、重要な顧客の声であれば「あのお客様が言っているのだから、真剣にとらえなければならない」といった効果もある。コールセンターなどを設置していれば、ここから顧客の声を把握することもできる。

 顧客の声を収集する方法はいくつもある。自社に合った方法を選択し、営業担当者の情報と合わせることで、自社の顧客理解力を高めよう。

顧客の声を報告させる

 営業担当者による顧客の理解にも工夫の余地はある。我々が推奨しているのは、営業担当者の活動報告に当たって、行動から顧客の声に報告の内容を切り替えることである(図1)。

図1●「顧客の声報告」のフレームイメージ
図1●「顧客の声報告」のフレームイメージ

 営業日報に代表される従来の営業活動報告は、いつ、どの顧客を訪問し、何を実施したかという行動記録が中心だ。「顧客の声が大事だ」「顧客の声を記録し報告しよう」と営業担当者に働きかけているソリューションプロバイダは多いが、IT化が進んだ今も、行動記録に終わっていることケースがほとんどだ。

 行動記録を積み上げるだけでは顧客理解は深まらない。顧客の生々しい声を引き出し、顧客の声を基にしたアドバイスと議論を実行する必要がある。

 「お客様の期待はここにあるのではないか」、あるいは「次回訪問ではこういう情報提供を通じて、さらにお客様の声を確認してきて欲しい」といった形で管理職が担当者にアドバイスするのだ。

 顧客の声を分析すれば、内容が具体的で効果的になる。結果として営業担当者がもう一段の声を引き出そうとする好循環が生まれる。

 顧客の声を素材とした営業チーム内の議論も有効である。生々しい顧客の声が材料であれば議論は自然と深まる。

 顧客の声を使った議論で自分の営業活動の質が高まることを認識すれば、顧客の声を知ろうという意識が高まる。