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長谷 和幸(ながたに かずゆき)
アイテック情報技術教育研究所 主席研究員

 今回のテーマはDNS(domain name system)である。DNSはインターネット・アクセスで重要な役割を果たしており,試験でもほぼ毎年のように出題されている。資源レコードの意味や役割のほか,DNSの登録データの変更方法,キャッシュに関する問題,DNSサーバの信頼性対策などがよく取り上げられている。

問題

 インターネット販売システムに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

 H社は,インターネット上で商品を販売する会社である。H社では,電子メール(以下,メールという)を受信することに同意した会員に対して,商品を紹介するメール(以下,商品紹介メールという)を送信することで,Webサイトへ会員を誘導し,商品を販売している。

 日々多数の商品紹介メールを送信することが,H社の重要な営業活動となっている。一方,商品への質問や会員情報の変更など,会員からの要求はすべてWebサイト上で受け付けることから,メールの受信量は非常に少ない。

 H社では,外部メールサーバ,Webサイトを開設しているWebサーバ,及び自社のドメインを管理しているDNSサーバをDMZに設置し,ほかのサーバやPCは社内LANに設置している。に,H社のシステム構成を示す。

図A●H社のシステム構成(抜粋)
図A●H社のシステム構成(抜粋)
[画像のクリックで拡大表示]

 FWのフィルタリング設定では,通信プロトコル,送信元IPアドレス及びあて先IPアドレスを指定することによって,業務上必要な通信だけを許可している。

 各社員のメールボックスは,内部メールサーバ内にあり,インターネットからH社あてのメールは,外部メールサーバ経由で内部メールサーバに届く。

 一方,商品紹介メールの送信に当たっては,商品のターゲットとなる会員のメールアドレスを顧客DBサーバから抽出し,商品紹介メールの文章とともに商品紹介メールサーバに登録し,送信時刻を設定する。各商品紹介メールの送信時刻になると,商品紹介メールサーバは外部メールサーバ経由で送信を開始する。

 H社では,1か月ほど前から,商品紹介メールの送信遅延が発生するようになった。システム管理者のS君が調査したところ,インターネットから頻繁に大量のメールを受信していたことが分かった。そこで,S君は,最初に送信遅延の防止策を検討し,迷惑メールの削減対策を実施した。

〔外部メールサーバの分離〕

 迷惑メールの削減対策を実施した後,商品紹介メールの送信遅延は発生しなくなったが,迷惑メールを完全に遮断することはできないので,大量の迷惑メールを受信する可能性は残っていた。

 そこで,S君はインターネットへの送信用とインターネットからの受信用に,それぞれ外部メールサーバを分離し,送信用外部メールサーバへのインターネットからのSMTP通信を遮断するために,システム変更を行うことにした。

 サーバを新規に購入するには数か月を要することから,現在は利用していない処理能力の低いサーバを,受信用外部メールサーバとして設置することにした。また,現在の外部メールサーバは,設定変更を行わずに送信用外部メールサーバとして利用することにした。

 S君が考えたシステム変更手順は,次のとおりである。

[1]受信用外部メールサーバをDMZに設置する。
[2]FWのフィルタリング設定に,(1)新たに許可すべき通信を追加する。
[3](2)DNSサーバの設定変更を実施する。
[4]DNSサーバの設定変更がインターネット上で(3)反映されるまで待つ。
[5]インターネットから送信用外部メールサーバへのSMTP通信を,FWで遮断する。

 システム変更後は,遮断できない大量の迷惑メールを受信した場合にも,商品紹介メールの送信遅延は全く発生しなくなり,システム変更の有効性が実証された。

設問 〔外部メールサーバの分離〕について,(1)~(3)に答えよ。

(1) 本文中の下線(1)の許可すべき通信を二つ挙げ,システム変更手順[5]の記述形式に従って,それぞれ35字以内で述べよ。
(2) 本文中の下線(2)の設定変更の内容について,“MXレコード”という字句を用いて,30字以内で述べよ。
(3) 本文中の下線(3)について,DNSサーバの設定変更がすぐに反映されない理由を,35字以内で述べよ。

(平成18年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験午後問題から抜粋)

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