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Forrester Research, Inc.
ローラ・ラモス VP兼プリンシパルアナリスト

 ソーシャル・ネットワーク・サイト(SNS)は参加者が互いのアイデアや考察、経験を交換し合う場だ。ビジネス(B2B)市場のマーケティング担当者は現在、SNSがマーケティングに役立つかどうか、興味深く見守っている。SNSは従来型のチャネルとは異なり、多数向けのメッセージを送るのではなく、参加することで企業がコミュニティの意見を聞き出す場である。

 フォレスターはSNSの利用に関して、企業のIT購入にかかわる意志決定者(バイヤー)1217人に調査を行った。本調査でわかったのは、バイヤーの45%がディスカッションフォーラムなどでの議論を意志決定の参考にしていることや、規模が大きいオープンなSNSより、議論の質や参加者の専門知識が高いフォーラムや、プライベートコミュニティを重視していることだ。

 しかし現状は異なり、マーケティング担当者が現在使用しているチャネルは、「展示会」(回答者の84%が使用、複数回答)、「エグゼクティブ・イベント」(同54%)の順で、「ディスカッションフォーラム、SNS、コミュニティ」の使用率は同30%にとどまった。

 フォレスターはB2B市場のマーケティング担当者に対して、SNSで顧客のニーズや表面化していない苦情を聞き出す上での三つの手法を提案する。

(1)一構成員としてコミュニティに参加せよ

 企業がSNSに参加する第一の目的は、顧客の声に耳を傾けること。コミュニティを支配するのではなく、ユーザーと対等な一構成員として参加すべきだ。米サン・マイクロシステムズのオープン・ストレージ・チームは、Facebookに自社製品に関するグループを作ったが、従来と同じようなマーケティングキャンペーンを繰り広げてしまったため、ユーザーの参加を得られなかった。ユーザーの声をまず聞き、ユーザーに有益な情報を提供する「信頼できる情報源」であることを心がけるべきだ。

(2)顧客の会話を盛り上げ、自社の取り組みを語ってもらえるようにせよ

 ユーザー同士の「おしゃべり」を活性化させるために、双方向型のコンテンツを提供すべきだ。米シスコ・システムズはルーターの新製品「ASR 1000」の発売に合わせて「インターネット中毒者向けグループ」をFacebookに作った。シスコの担当者は、ユーザーがインターネット中毒の症状を告白したくなるような、ユーモアあふれるビデオをアップロードし、グループ内の会話を盛り上げた。ただし、コンテンツのコントロールはユーザーの手に委ねるべきだ。

 米ヒューレット・パッカード(HP)もPCサーバー「ProLiant」の新製品発売に合わせて「サーバールームに生きる男達」というビデオをFacebookにアップロードした。しかし、ユーザーのコメントを引き出す仕組みに欠けていたため、あまり盛り上がらなかった。

(3)顧客の成功を手助けすることでロイヤルティの高い顧客を生み出せ

 先ほど紹介したシスコのFacebookグループは、ASR 1000の話にとどまらず、他製品のユーザーにも示唆を与えたり、ユーザー同士が助け合ったりするものへ進化した。SNSは、技術フォーラムに取って代わることはできないが、ファン作りに有効だ。サンは「I Heart Java(私はJavaを愛している)」というFacebookページを作り、開発者が見つけた小粋なテクニックや、開発したアプリケーションなどを他のユーザーに宣伝する場を作った。

 開発者は自慢が大好きなので、この取り組みはうまくいった。サンは記事やビデオを投稿したユーザーを「JavaOne」に招待し、オンラインの世界を実世界にもつなげ、より一層メンバーのロイヤルティを高めた。企業がSNSの参加者に対する感謝の気持ちとして、新バージョンの限定評価版を提供するといった報酬を与えることは、コミュニティを盛り上げる上で有効だ。

◆本記事は,“B2B Marketers:Tap Into Social Networking Sites To Energize Community Marketing”を日経コンピュータ編集部で翻訳・構成したものです。