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写真●木村 博氏 三井化学 SCM 室 システム企画部 システムグループリーダー
写真●木村 博氏 三井化学 SCM 室 システム企画部 システムグループリーダー
(写真:柳生 貴也)

 言われたことを実行するだけでなく、自分の頭で考えて行動する。SEか営業かにかかわらず、ソリューションプロバイダにお願いしたいのは、このことに尽きる。

 まず今、進めようとしている仕事の内容が本当に妥当なものなのか、自主的に考えてもらいたい。

 見積額の交渉中に、「自分の頭で考えて提案してきているのか」と疑問に感じることがままある。「この作業でどうしてこれだけの工数がかかるのか」といった質問に、根拠を示せない営業担当者がいるのだ。せめて、妥当な金額だと説明できるようにしてきてほしい。

 やみくもにサービスの料金を安くしろと言うつもりはない。全く初めて手掛ける技術や業務を含む案件で、リスクを考慮して通常より割高な料金になるのは仕方ないと思う。

 コンサルティングの要素が多い作業なら単価が高くても理解できる。だが、根拠が不明確なまま高額な料金を提示されるのは納得いかない。

 提案時だけでなく、保守・運用作業をお願いしているときにも、同様のことを感じている。仕事の効率をいかに上げるかを、自分たちで考えてほしいのだ。作業を効率化すれば、利益率の向上につながるはず。決してユーザーだけにメリットがある話ではない。

 こちらが依頼した仕事の内容に無理や無駄を感じているなら、遠慮なく指摘してもらいたい。必要のないドキュメントを作ることで、工数が増えているなら、我々も依頼内容を見直すつもりだ。

 深く付き合っているソリューションプロバイダには、こうしたことを常日頃から伝えている。基幹系システムの運用をアウトソーシングしているベンダーとは、無理や無駄はないかを指摘し合い、作業の中身を見直すようにしている。

 例えば、このベンダーと当初結んだ契約では、「システムにエラーが発生した場合には、30分以内に報告すること」という項目があった。しかし、実際に運用してみると必要以上に厳しいルールだと分かった。

 一つのエラーに関連して複数のエラーが出ることはよくある。報告するには、複数のエラーが同じ問題に起因するものか、そうでないかを見極める必要があり、30分では時間が足りないことが何度かあった。

 現在はルールを緩和し、相応の理由がある場合には、30分を過ぎても契約違反に問わないようにした。

 ベンダーの判断で進めてよい作業の一覧を示した「ポジティブリスト」を作ったのも、無駄な作業を省く取り組みの一環である。

 運用のアウトソーシングを依頼した後、当初は細かな設定変更についてもベンダーから承認を求められた。当社の承認なしにシステムを変更できない契約だったためだが、その数が想定より多かった。こちらも承認作業が多くなりすぎて困った。ベンダーには、承認の待ち時間が無駄なものになっていた。

 そこで、事後報告でもかまわない作業をポジティブリストにまとめ、報告回数を減らしたのである。

 運用プロセスを変更した二つの例は、どちらも当社から持ちかけたものだが、ベンダーから提案してもらっても喜んで採用したと思う。

 前々からお願いしているので、自主的な改善提案は増えてきた。運用のアウトソーシングを始めてから3年経ち、当初の目標だった運用コストの3割減を達成できた。

 計画通りではあるが、実現できたのは、ベンダーの自助努力によるところも大きい。ぜひこの傾向を持続させてほしい。