PR

 2009年7月にIT専門家に対して実施した「IFRS(国際会計基準)に関する調査」では,約600件の自由意見が寄せられた。その声を分析すると,期待や批判,不安,冷静な見方といった特徴が見られる()。

表●IFRSについての主な自由意見。約600件のコメントから,期待,批判,不安,冷静な観察といった特徴をもつ意見を抜粋した
表●IFRSについての主な自由意見。約600件のコメントから,期待,批判,不安,冷静な観察といった特徴をもつ意見を抜粋した
[画像のクリックで拡大表示]

 まず,IFRSを通じて経営者の見方が広がる効果,あるいは投資家の視点でグローバル基準に基づいて企業を評価できることへの期待がある(No.1)。ただし,こうした期待する声は少数にとどまる。

 IFRSに関する自由意見の大半は,批判や不安に関するものだ。批判としては,会計処理に要するコストやエネルギーが大きい,それだけコストやエネルギーをかける割に経営への効果が小さい,本業への経営資源の配分がおろそかになる,などがある(No.2~4)。

 不安としては,「法制度への最小限の対応にとどまらざるを得ず,経営改革につなげられない」「ITベンダーに振り回されて,情報システムにトラブルが生じないか」「情報システムの変更に伴う工数を関係者が十分に認識していない」などを挙げる(No.5~8)。

 IFRSに対して冷めたコメントを寄せるIT専門家もいた。「海外展開などのためにやむを得ない範囲でのみ対応することになるだろう」「J-SOX以上の大波と認識しているが,過剰に反応するのでなく,冷静で適切な対応が必要だ」「ベンダーの営業の威勢の良さと,開発現場のリスク認識とに大きなギャップを感じる」といった意見だ(No.9~11)。

 これらの自由意見の中には,IFRSに対する知識不足や誤解も含まれているかもしれない。しかし,日本にとどまらずグローバルな動きとしてIFRSの採用が進みつつある以上,IT専門家にとってもIFRSは避けて通れない。慌てる必要はないにしても,正面から向かっていくべき課題だと認識して,真摯に取り組むことが大切だろう。

調査概要

 「IFRS(国際会計基準)に関する調査」は,ITpro Researchモニターを対象にWeb調査で実施した。ITpro Researchモニターは,ITpro登録会員で日経BPコンサルティングのアンケート調査モニター登録者であり,「IT分野に関心をもち,アンケート調査への協力意向の高いIT関係者」といえる。

 調査期間は2009年7月16~23日。総回収数4002件のうち,ビジネスパーソンからの回答3863件を有効回収数とした。調査は日経BP社コンピュータ・ネットワーク局プロジェクト推進部と日経BPコンサルティングが企画を,日経BPコンサルティングが実査・集計・報告を担当した。同調査に関する報告書は,日経BPコンサルティングが販売中