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 米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は,製品の発売イベントのために滞在している欧州で,報道陣に対して「オンライン検索事業のてこ入れのための大型買収を行う計画はない」と語った。その熱の入らない口ぶりからして,実際そうなのだと思う。それよりむしろ重要なのは,検索事業を立て直すために多額の資金を投入するという意向には変化がないと述べたことだろう。

 検索事業をめぐる状況は,依然として予断を許さない。検索と広告に関してMicrosoftが米Yahoo!と結んだ大規模な提携は,規制当局からの承認がまだ下りていない。その一方で,新ブランドの検索サービス「Bing」の立ち上げや,1億ドルを投じたマーケティング・キャンペーンなど,検索事業の強化を目指したMicrosoftの長年の取り組みは失速しつつある。6月の公開以来,少しずつながら着実に利用者を増やしてきたBingだが,9月のシェアは以前の水準に戻ってしまった(関連記事:9月の検索サービス利用,米国と世界市場で「Bing」のシェア減少)。

 Ballmer氏は9月5日に英国で,「今後も不断の努力を続けるし,マーケティングなどへの投資も引き続き行う。そしてもちろん,Yahoo!との提携が承認を得られるように力を注いでいる」と述べた。だが同氏はあわせて,当会計年度の研究開発費を95億ドルで凍結することを明らかにした。その狙いの1つは,米Googleに対抗するための資金の確保だ。その場合の主戦場がWeb検索になることは言うまでもない。

 Googleへの対抗策として,Yahoo!と同じような提携を他社との間でも結ぶことが考えられる。可能性があるのは米AOLだ。同社は現在,米Time Warnerからの分離計画を進めている(関連記事:Time WarnerがAOLを分離へ,取締役会が承認)。米国の検索市場におけるAOLのシェアは約3%。現在はGoogleの検索技術を利用しているが,両社の提携はまもなく終了する。さらにMicrosoftは,米News Corporationとの提携も検討している模様だ。同社は,米MySpaceなど人気の高いオンライン・サイトを傘下に持つ。

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