レイアウトを定義するres/layout/main.xml
「res/layout/main.xml」は,レイアウトを定義するファイルである。Eclipseでは,左側に表示された「Views」の一覧からドラッグ&ドロップでビューを配置するといったGUIインタフェースにより,レイアウトを編集できる(図19)。
また「main.xml」の中身はxmlファイルなので,下の「main.xml」タブを選択し,直接xml形式で編集することもできる。
文字列を定義するres/values/strings.xml
strings.xmlファイルでは,アプリケーションで利用する「文字列」を定義する。文字列をわざわざxmlファイルで管理するのは面倒だと思われる読者もいるだろう。しかし,Androidアプリは全世界のユーザーに向けて配信される可能性がある。言語ごとに別ファイルで文字列を定義し,切り替えて表示することで,各言語に対応したアプリケーションを簡単に管理できる。
このstrings.xmlファイルも,Eclipseに用意されている文字列編集用の画面から編集可能である(図20)。
試しに「hello」文字列リソースの定義を日本語に変更してみよう。リストの左側の「Resources Elements」メニューから「hello」文字列リソースを選択し,右側の「Attribute for hello」ウィンドウに表示された「Value」の内容を「Hello World, HelloWorkdActivity!」から「こんにちは世界」に変更して上書き保存し,エミュレータで実行してみよう。すると表示が「こんにちは世界」に変わるはずだ(図21)。
配布に必要な情報を定義するAndroidManifest.xml
AndroidManifest.xmlでは「Manifest(マニフェスト)」を定義している。マニフェストとは,アプリケーション配布時に必要な情報のことで,Android端末のホーム・スクリーン(待ち受け画面)に表示するアイコンのほか,アプリケーションの名前やバージョン情報が記述される。Eclipseには,マニフェスト・ファイルの編集画面も用意されている(図22)。
編集画面の下にある「Manifest」「Application」「Permissions」「Instrumentation」の各タブをクリックすると,Eclipseの編集用画面からGUIインタフェースにより設定が行える。また,「AndroidManifest.xml」タブでは,直接XML形式で編集が行える。
ここまで説明してきた通り,Androidアプリの開発を始めるにあたって,要求される設定作業はそれほど手のかかるものではない。SDKを利用するのに,iPhoneアプリのような面倒な登録作業も必要なく,誰でも短時間で開発環境を導入してアプリの開発に着手できる。また,開発に必要なすべてのツールが無償で入手できるのも,Android開発の大きな魅力と言える。
次回は,アプリケーションのビルドや配布,Android Marketへの登録について解説する。
アシアル株式会社 エンジニア