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 データセンター事業者の業務内容を解説するこの連載の第7回では,第3回で解説したサービスデスクで,問い合わせを受け付けた後の,エスカレーションの仕組みについて説明したい。エスカレーションとは,一次受付で対応できない場合,あらかじめ定められた別組織に,対応や問題調査を依頼することである。

 サービスデスクでは,さまざまな問い合わせに対応している(詳細は第3回に記載)。まずは過去の問い合わせなどと照らし合わせて返答したり,場合によってはサーバー機器点検などを行ったりするが,障害時などはさらなる調査が必要になることがある(図1)。

図1●エスカレーションの一例(一部省略)
図1●エスカレーションの一例(一部省略)

 通信の障害が疑われる場合は,当社の通信ネットワークセンターにエスカレーションする。当社は通信事業と情報システム事業を1社体制で行っているため,社内で迅速にこのエスカレーションを行うことができる。サービスデスクから通信ネットワークセンターに,顧客名と通信回線ID(通信回線に割り振られた固有番号)を伝える。通信ネットワークセンターでは,連絡された情報をもとに障害状況を調査し,数分でサービスデスクに結果を報告する。

 通信に問題がない場合,稼働するシステムの障害が考えられる。当社が開発・構築したシステムを稼働させているときは,障害状況に応じてシステム運用部門にエスカレーションを行う。さらにそこから社外の協力ベンダーにエスカレーションを行うこともある。

 エスカレーションの担当部署と担当者,緊急連絡先電話番号は,あらかじめ運用手順書に「連絡体制図」や「連絡先一覧」として記載されている。担当者の割り当ては,平日と休日に分かれ,連絡の優先順位が付けられている(表1)。万が一でも,第1優先順位の担当者と連絡が取れないことを想定し,このような優先順位や「電話番号2」といった第二の連絡先を取り決めている。

表1●連絡先一覧の例
■平日連絡先
優先順位 氏名 電話番号1 電話番号2(携帯電話など)
1 絵洲手 祢斗 1234(内線) 090-1111-2222
2 比家羅 ひかり 2345(内線) 090-2222-3333
3 出絵田 千太 3456(内線) 090-3333-4444
■休日連絡先
優先順位 氏名 電話番号1 電話番号2(携帯電話など)
1 比家羅 ひかり 090-2222-3333 080-1111-2222
2 出絵田 千太 090-3333-4444 087-0000-0000
3 絵洲手 祢斗 090-1111-2222  

 また,サービスデスクから担当営業に状況報告を行い,お客様のフォローを行う。このように社内外の各組織へ迅速に情報伝達とエスカレーションを行い,解決に向けた「バトン」が受け渡されるのである。


柏原 丈二
株式会社STNet システム開発部 コンサルティング第1チーム
生産管理システム開発,2000年問題対応,年金システム開発,損害保険関連システム開発,商材企画業務などを経て,現在はITコンサルティング業務を担当している。システムアナリスト,システム監査技術者。趣味は登山。(本記事の執筆当時は事業企画部に所属)