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 収納できなくなった衣類の集配・保管サービスを、インターネットを通じて展開するドレスファイル。次の一手として、保管品などをネット上に公開するなどで、消費者によるファッショントレンドを生み出す仕組みを仕掛けるという。同社の西 宏司社長は、「ファッション業界における情報流通格差を解消したい」と意気込む。新たなプラットフォーム作りに向けた取り組みなどを聞いた。(聞き手は島田昇=日経コンピュータ)

ドレスファイルの「オンラインクローゼット」とは、どのようなサービスか。

 収納に困っているような衣類を当社に預け、使いたいときにはいつでも自分専用のWeb画面で衣類を指定し、受け取れるサービスだ。宅配便で衣類を預かり、プロの業者によるクリーニングをしてから、空調を完備したアパレル専用倉庫で保管する。預かった衣類はスタジオ撮影しWebにアップロードするので、預けた衣類はWeb上で写真を頼りに探し出せる。配送は365日対応である。

 サービスの利用料金は、400円からのクリーニング料金と、月額290円の保管料金、それと1回700円の集配料金の合計になる。入会金や会費はない。現時点の利用者数は約260人。その8割以上が女性で、都心に住む30代前後の富裕層が中心だ。PCが使えファッションへの感度が高い層がほとんどだとみている。

 2007年4月にサービスを開始したが、利用者が増え始めたのは、2年目の春の衣替えのシーズンからだ。マスメディアに取り上げられたことなどで認知度が向上したためだろう。2009年1月には社名をオルガメタからドレスファイルに変更した。同年3月には個人投資家らから900万円を調達し資本金を2700万円に増強している。

「市民スタイリスト」生むコミュニティーを目指す

新たなサービス展開予定があるか。

 SMS(ソーシャル・マーケット・サービス)と呼んでいる事業を立ち上げる。具体的には、当社が保管する衣類をオンラインで公開することで、個人間の売買や、衣類を通じた会員同士のコミュニケーションを可能にする。現在のサービスは単なる衣類の保管サービスだが、保管する衣類や利用者の属性データを蓄積したデータベースが新たな価値を創出するはずだ。

 例えば、街中で「お洒落だな」と思う衣類を身につけていたり、コーディネートしている人を見かけたとしよう。普通なら、その人とはただすれ違うだけで終わる。これが、インターネット上でつながれる環境が整えば、お洒落だと思う人の衣類を買うことができるかもしれない。

 そこでは、ファッションセンスが自分の好みと合う人からコーディネートを提案してもらったり、逆に「勝手にスタイリスト」や「市民スタイリスト」とでも呼べるような、コーディネートを提案するコミュニティーが生まれるかもしれない。市民スタイリストのランキングによって、カリスマコーディネータが生まれる可能性もある。

 自身のファッションライフログや、オンラインのコミュニケーションを活用することで、衣類の管理サービスは進化する。これまでは、自分が所有する衣類の保管は、主に記憶に頼るしかなかったため、ほとんど使わない衣類が引き出しの奥に眠っていたりすることが多かったはずだ。それをデータ化し、Web上で管理すれば、写真を頼りに探したり、人に勧められたり勧められたりが可能になる。より自分らしく、満足度が高いファッションを楽しめるようになるわけだ。