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ルールが守れないとイエローカードを

 推進部内会議の当日。議事進行役の小谷さんの脇には普段見慣れないポスター(図3)が張り出されていた。

図3●効果的な会議のグラウンドルール
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村上 今日の会議の進行は、シックスシグマでファシリテータトレーニングを受けた小谷さんに任せる。参加しているみなさんも協力してください

小谷 それでは部内会議を始めます。最初にシックスシグマが求める会議のスタイルを説明します。まず会議運営に必要な役割分担を決めます。前もってお願いしましたが、書記は永島さん、タイムキーパは門馬さん、決裁判定役は村上部長にお願いします。

 次にお配りした“討議進行計画表”をご覧ください。今日の会議は、この表に書いてある順番で議論を進めます。その横に書いてある時刻は目安ですが、タイムキーパの門馬さんは特に時間管理に注意してください。このポスターは“会議のグラウンドルール”といって、私を含め全員が守るべきルールです。私のチームでは、守れないとイエローカードを出します

門馬 ちなみに、そのイエローカードが3枚たまると罰金、じゃなくて活動反則金100円です。この前は遅刻して100円払ったばかりなのになぁ

小谷 活動反則金は、チームの打ち上げ資金に加算します。決められた時間内にきっちりと結論の出る会議にしたいので、ご協力ください

 こうして、いつもとは違った雰囲気で始まった部内会議だったが、参加した部員も会議が進むうちに要領がわかってきた。そして会議も後半に差しかかるというころ、小笠原CIOが入室してきて会議の様子を黙って見ていた。

小谷 それでは討議の結果、検討案Cを採択することにします。村上部長、よろしいでしょうか?

村上 これだけの判断材料があれば、C案で問題ないだろう

小谷 ありがとうございます。それでは、システム管理チームの方々は、引き続きC案の詳細計画と最終予算を作成し、月末までに部長へ提出してください。ほかに、今日この場で共有しておきたい情報や意見がなければ終わりにしたいと思います

門馬 終了時刻まで残り3分です

小笠原 一言だけいいかな

小谷 どうぞ。ただし3分以内でお願いします

小笠原 確か制限時間オーバーは活動反則金だったな。実は、村上君に聞いて会議の様子を拝見しにきたのですが、ファシリテータがいるのといないのではずいぶんと違うものだと実感しました。みなさんは気づかなかったかもしれないが、20人近い全員が何らかの発言をしていたのには正直驚きです。当推進部はシックスシグマで社内サービス向上を目指しているのですから、部員のみなさんが社内ファシリテーションを推進していくつもりでお願いします。スキルは小谷さんが教えてくれるでしょう。そろそろ3分かな?

小谷 10秒オーバーですが、おまけしておきましょう

 最近はファシリテーションについての書籍も数多く出版されている。リーダーにとって、チームの士気を高め、独断専行を避けるための基本スキルだが、こうした積み重ねがシックスシグマ活動を支えている。(第6回に続く)

●第5回のまとめ●
ファシリテータが果たす最大の役割は「段取り」です。それには、会議の目的や、何を実現したいのかなど、どれだけ先を読めるかが問われます。実行に向けペナルティを課すケースもあるようです。それがたとえわずかでも、適度な緊張感が常に必要と言うことでしょう。(編集部)

眞木 和俊(まき・かずとし)
ジェネックスパートナーズ 取締役会長
眞木 和俊(まき・かずとし)GEで、シックスシグマによる全社業務改革運動に、改革リーダーのブラックベルトとして参加後、経営コンサルタントに転身。2002年11月ジェネックスパートナーズを設立。「お客様とともに考え、ともに行動するパートナー」として、日本企業再生を目指し、企業変革活動を支援している。その一環で、「シックスシグマオフィシャルページ」も運営する。
著書に『図解コレならわかるシックスシグマ』(ダイヤモンド社)、『これまでのシックスシグマは忘れなさい』(同)などがあり、中国、韓国、台湾などでも翻訳出版されている。