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 目標に向かってアプリケーションを構成していく「プログラミング」を学ぶことと,そのための道具である「プログラミング言語」を学ぶことには大きな違いがある。この本は,前者のプログラミングを学ぶことを明確に意識して書かれた,Rubyプログラミングの入門書である。「蔵書管理データベース」を作り上げるという目標に向かって,プログラムを少しずつ組み上げ,より高度なシステムにしていく過程をじっくりと見せてくれる。

 前半の「実践編」で組み上げる最初のバージョンは,コマンドラインで対話的に処理する簡単なものだが,これだけでも文字列処理やクラス,ハッシュなどRubyの魅力的な機能を使ったプログラミングを体験できる。後半の「発展編」では,実践編で作ったプログラムがどんどん高機能になっていく。データを保存するために簡単なファイルの読み書きから始め,次いでCSV(カンマ区切り値)形式の利用,Rubyに標準搭載されたPStoreを使ったデータ保存,さらにリレーショナル・データベースでのデータ管理へと進んでいく。最終的にはWebサーバー・フレームワークWEBrickを使ってWebアプリケーション版の蔵書管理データベースを完成させる。

 言語を学ぶための本に比べれば,この本を読んで得られるRuby言語の知識は少ないかもしれないが,Rubyをより深く知りたければプログラミング言語としてのRubyを扱った書籍に進めばよい。もちろん他の言語でもよい。まとまった機能を持つアプリケーションを1本作り上げるという体験は,後でどのようなプログラミング言語を学ぶときでも大いに生きてくるはずだ。

作りながら学ぶRuby入門

作りながら学ぶRuby入門
久保秋 真著
ソフトバンククリエイティブ発行
2625円(税込)