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 DRAM、液晶、DVD─。かつては日本企業が100%近い世界シェアを持っていたにもかかわらず、BRICsなどの新興国に凌駕されてしまう。その原因として、日本企業が自前主義にこだわり過ぎ、共闘する「仲間」を作らなかったことがよく挙げられる。そうした反省から、官主導で企業同士が技術を流通させる「オープンイノベーション」の必要性も叫ばれるようになったが、著者はその戦略には疑念を呈する。

 インテルはパソコン用プロセッサーで覇権を取るに当たり、台湾メーカーとパートナーシップを結んでマザーボードを生産させた。こうした例を引いて著者は、市場拡大のため共に闘う「与力」を作り出し、技術開示とブラックボックスを巧みに使い分けることが必要と説く。共闘の手段の1つとして挙げるのが、著者が専門とする知財マネジメントであり、特許として守る技術と、権利化せずに秘匿しておく技術などを戦略的に組み合わせる手法などに触れている。

 技術や知財といった専門的な話題を、平易な文章と豊富な事例で分かりやすく解き明かす。「武将(技術)の強さか、軍師(戦略)の知恵か」といった、歴史や麻雀などの例えも、読者の興味を引きそうだ。

技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか

技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか
妹尾 堅一郎著
ダイヤモンド発行
2520円(税込)