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「iPhoneは完全に“オープン”」とソフトバンクモバイル

 (2)のテーマとなった「端末のオープン化/高度化」を巡っては,端末自身の製品力に加えて,ネットワーク・サービス込みの利便性を各社が競う構図が浮かび上がった。

写真4●ソフトバンクモバイル執行役員法人事業推進本部本部長の安川新一郎氏
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 スマートフォンで台風の目となったiPhoneを手がけるソフトバンクモバイルの安川氏は「iPhoneは完全にオープンで,完全にPCと同じ感覚で“高度化”が進んでいく端末」とテーマに回答。「iPhoneはOSが次々に更新され機能が上がる。法人の利用が難しいと声を上げると,AppleはOSのアップデートでその要望に応えてくれる。詳細は明かせないが誰もが知っている金融機関での導入事例も出始めた」とし,ネットワーク越しに届くOS更新が法人市場における競争力になるとの見解を示した。

 KDDIの有泉氏は,法人向けソリューションで広く使われている携帯電話向けアプリケーション実行環境「BREW」に「こだわっているわけではない」とし,2009年5月に発売したWindows Mobile端末「E30HT」を例に挙げ,「Windows Mobile端末も選択肢の一つとして積極的に,フラットに対応していこうとしている」とした。

 モバイルのマルチベンダーの形として,KDDIはPCを重視する。有泉氏は「携帯電話とPCの“2台持ち”が当たり前になれば,それぞれの機能の住み分けが進行する。カメラで撮影した画像やバーコード・リーダー機能で読み取った情報をサーバーに送る,携帯電話は“センサー”」と位置付けた。端末としては2009年9月に発売した業務用端末「E06SH」の設計思想について「バーコード・リーダーに特化した端末で,センサーにこだわった」と語った。

NTTドコモは「スマートフォン」と「iモード端末」の融合へ

写真5●NTTドコモ法人事業部ソリューションビジネス部長の中西雅之氏
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 Windows Mobile,Symbian OS,Androidの3種類のOSを搭載した端末を取り揃えるNTTドコモの中西氏(写真4)は,「3タイプの“オープンOS”の高度化に加えて,スマートフォンOSとiモード端末向けOSの融合をぜひ考えていきたい」という方向性を示した。「確かにオープンOS端末は企業向けソリューションに向いている。しかし緊急地震速報の『エリアメール』のようなサービスは,残念ながらiモード端末でしか利用できない。携帯事業者として統一的にサービスや機能を提供していくべきと考えているので,それぞれの製品ラインの高度化だけではなく,両者が融合した形で高度化を図っていく」とした。

 端末の小型化と省電力を売りにするウィルコムの大川氏は,「シンプルな端末に,マイニングした情報を配信するようなビジネスを考えている」とした。ここで言うマイニングは,PHS通信機能を備えるセンサー機器によるセンサーネットワークで収集した情報から,解析・分析して必要な情報を取り出す行為を指す。「電力測定やリコール時の製品管理など,M2M(Machine to Machine)には省電力なPHSにシステムとしての優位性がある。また複数年一括払いによる売り切り販売や,数えるほどしか通信しないライフサイクルを持つ製品向けの料金制度など,弾力的な価格で提供したい」とした。

 イー・モバイル阿部氏は,「自由に端末を使えるネットワークの整備を続けていきたい」と高度化の理想像を提示。「例えばPocket WiFi(D25HW)のような,無線LANにつながる3Gデバイスを投入した。本来は世界中で売っている携帯端末がイー・モバイルのネットワークで使える世界が理想だが,周波数帯が1.7GHz帯なのでなかなか苦しいところがある」と現況を語り,今後も「量産品がグローバルの商品になることで,一つのキャリアが抱える端末より遙かに安くなる」世界を追求する姿勢を明確にした。

充実見せた音声通話サービス

 (3)のテーマである音声通話については,NTTドコモの中西氏の「音声サービスは旧態依然としたイメージがあるが,さまざまな新サービスを提供している」というコメントが象徴的なパネル討論となった。

 中西氏は,「社内に基地局設備を置きたくないユーザー,テレビ電話を使いたいユーザー,全国規模でFOMAを内線として使いたいユーザーと,さまざまなユーザーに向けてOFFICEED,PASSAGE DUPLE,オフィスリンクといったソリューションを状況に合わせて提供している。J-SOX法関連で通話録音サービスも用意した」とラインナップの多彩さを強調した。

 KDDIの有泉氏は,音声通話ソリューションとして「KDDIビジネスコールダイレクト」を紹介。「ワンナンバーで,グループ内通話は定額。管理面のコストも圧縮できる」とし,「無線LAN携帯電話端末のSDIOスロットに,PHSや無線LANカードを追加できる」と拡張性の高さを特徴に挙げた。総務部門の番号管理のアウトソーシングの需要を見込んでおり,「BPOとして管理業務のアウトソーシングをセットにしている」という。

 ウィルコムは,2009年9月17日にNECと共同発表した「FMC拡販推進プロジェクト」を例示。PHS網とIP電話網を統合運用するアプローチで「『なぜウチには声をかけてくれないのか』という好感触を得た」とし,音声定額と構内PHS,固定IP電話網の統合メリットを紹介した。

 ソフトバンクモバイルの安川氏は,「ホワイトプランとホワイトラインで1500万ユーザー間がかけ放題」と携帯・固定の法人向け定額サービスを紹介。さらにKDDIビジネスコールダイレクトと同等のサービスとして,携帯・固定をワンナンバーで利用できる「ホワイトオフィス」を挙げた。「分厚い内線電話番号帳があり,そのために年に1回しか組織変更ができないという冗談みたいな話を聞く。こうした背景から,ワンナンバーがユーザーに受けている」。

 イー・モバイルの阿部氏は,「携帯同士の音声定額に加えて,PCの3Gモデムとして使える」と音声定額とモバイル・ブロードバンド定額が同時に実現できるコスト・メリットをアピール。「固定電話への発信も30秒で5.25円と安価だ。どんどん携帯電話を内線のように使ってほしい」と訴えた。