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写真●講演する日経コミュニケーションの中道理記者
写真●講演する日経コミュニケーションの中道理記者

 「低価格のICTサービスを活用して在宅勤務の環境を整備しておくことは,有効なパンデミック対策だ」――。ITpro EXPO 2009において,「新型インフルエンザに備える在宅勤務攻略術」と題し,日経コミュニケーションの中道理記者(写真)が講演。セキュアで費用対効果の高いICTサービス活用法を指南した。

 「新型インフルエンザの感染拡大は,最初の波がいったん終息したとしても,2番目,3番目の波が来ると言われている。企業はパンデミック発生時でも事業をできるだけ継続するために,平時から対策を検討しておくことが重要だ」と,中道記者は主張する。

 現在は新型インフルエンザの話題に隠れているが,鳥インフルエンザ(H5N1型)も大きな脅威であるという(図1)。

図1●鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生状況
図1●鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生状況
鳥インフルエンザは強毒性と言われ,致死率が高いのが特徴。今のところヒトからヒトへの感染例は確実には認められていないが,今後の変異によってヒト同士の感染が発生し,パンデミックになる危険性が高い。国立感染症研究所のホームページから転載。

 鳥インフルエンザは強毒性と言われ,致死率が高いのが特徴だ。エジプトでは2006年以降,87人が発症し,このうち27人が死亡した。インドネシアは2005年以降141人が発症し,このうち115人が死亡。「鳥インフルエンザは世界各地で場所を変えて感染が起きている。今のところヒトからヒトへの感染例は確実には認められていないが,今後の変異によってヒト同士の感染が発生し,パンデミックになる危険性が高い」と中道記者は説明し,保健機関などが提供する感染情報を注視すべきと訴える。

弱毒性と強毒性で対策を分ける

 それでは企業はどのような対策を取ればいいのか。「対策を立てる時には,強毒性と弱毒性とに分けて考えるのがポイント」と中道記者。両者それぞれに適した運用ルールがあるという。

 まず,鳥インフルエンザのような強毒性ウイルスがまん延した場合,企業は従業員の生命の安全を第1優先に考える必要がある。社員が出社することは難しく,業務は滞ることになるが,他の会社も同じ状況になると考えられる。「厚生労働省の資料によれば,強毒性インフルエンザがまん延した場合,欠勤者が最大で40%発生し,社会的な混乱が8週間程度続く」(中道記者)。この結果として,通信や電気・ガス・水道,物流,金融,交通機関などの社会インフラが影響を受け,サービス・レベルが低下したり,機能がマヒしたりといった事態が想定されるという(図2)。

図2●政府が描く強毒性インフルエンザまん延時のシナリオ
図2●政府が描く強毒性インフルエンザまん延時のシナリオ

 これに対し,新型インフルエンザのような弱毒性ウイルスの場合は,従業員の生命に危険が及ぶ可能性は低く,企業は事業の継続性を第1優先に考えることになる。例えば,ある部署で集団感染が発生して業務が滞るといった時に,どのようなバックアップ体制を取るかを平時から検討しておく必要がある。代替要員をどこから確保するか,指示系統をどうするかといったことを予め決めておくことが重要だ。