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写真●グリーンITユーザーアワード審査委員長の安井至氏(東京大学名誉教授 製品評価技術基盤機構理事長)
写真●グリーンITユーザーアワード審査委員長の安井至氏(東京大学名誉教授 製品評価技術基盤機構理事長)

 三井不動産レジデンシャルは,「ITpro EXPO 2009」のグリーンITユーザーアワードで最優秀賞のグランプリを獲得した。“CO2見える化”マンションを大規模に展開し,家庭におけるエネルギー消費削減を支援する取り組みが評価された。同アワード審査委員長で,東京大学名誉教授の安井至氏は,グランプリの受賞理由を審査の背景とともに語った。

 「民主党新政権は,国内の温暖化ガス排出量を2020年に1990年比25%削減する国際公約を宣言した。これは相当に大変なこと。海外排出権の購入などではなく,国内対策による実際の排出削減量,いわゆる“真水”の割合だが,25%のうち15%は何とかしなければならないだろう。これを達成するには,家庭からのCO2排出削減にぜひ取り組まなくてはならない」と,安井氏は語気を強める。

 とはいえ,家庭の省エネに取り組みなさいと言われても,実際にできることはそう多くない。省エネ家電を購入したり,蛍光灯型の電球に付け替えたりすることくらいはすぐにできそうだが,太陽光発電設備をつけろと言われてもコストが高いため,誰にでもできるわけではない。

 「本格的に家庭の省エネに取り組むなら,HEMS(Home Energy Management System)は絶対に必要」と,安井氏は主張する。HEMSとは,家庭におけるエネルギーの消費量をモニタリングしたり,管理したりするシステムで,より高度化した場合には居住者の生活パターンに応じてエネルギー消費量を最適化できると考えられている。

 HEMSは段階的に導入が進むとされ,まず(1)家庭のエネルギー使用量(CO2排出量)を見える化する,(2)ユーザーが自分の生活パターンに合わせて電力(給湯)の使用時間を設定する,(3)ユーザーの生活パターンに合わせてシステムが電力(給湯)の使用時間を自動制御する――このレベルまで行けばかなりのCO2排出削減が見込めるという。

 三井不動産レジデンシャルの取り組みは,「(1)家庭のエネルギー使用量(CO2排出量)の見える化」を実現するものだ。柏の葉キャンパスシティに2010年度販売予定のマンション880世帯すべてに,電力のモニタリング装置を標準装備した。これに先立ち,2009年には,販売済みのマンション90世帯を対象に,同様のモニタリング装置を使った省エネ実証実験を実施し,導入前に比べて10~15%のCO2排出削減効果を確認している。

 「同社の取り組みで評価すべき点は3つある。本業のマンション販売ビジネスの成長のためにITを活用していること,消費者を巻き込んだ取り組みであること,そしてCO2削減効果を見える化していることだ」と安井氏は受賞のポイントを語る。「何よりも,家庭の温暖化対策の要となるHEMSの普及に弾みをつけた功績は大きい。グランプリにふさわしいと考える」と,安井氏は締めくくった。