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ついにケーブルを陸揚げ

 しばらくすると,ロープにくくりつけられた浮き輪のような黒いブイが引き上げられる。待機していたダイバーが,波打ち際のブイに近寄り,腰に帯同していたナイフでブイとロープを結ぶ麻の縄を断ち切った(写真6)。このブイは,ロープやケーブルを海中で浮かせる役目を持っており,ケーブルが海底の岩などに引っかかって損傷するのを防ぐのだという。7時45分になると,敷設船から黒いブイの代わりに,等間隔に数珠つなぎとなった黄色いブイが見えてくる(写真7)。これが光ケーブルの先端を示しているのだ。

 8時25分には,ついにケーブルの先端が海岸に到着した(写真8)。ケーブルにくくりつけられて敷設船から届いていた米国産のワインをケーブルの先端にかけて,陸揚げの成功を祝った(写真9)。

写真6●浮き輪状のブイをダイバーが取り外す
写真6●浮き輪状のブイをダイバーが取り外す
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写真7●ケーブル端を示す黄色いブイ(矢印のところ)が見えてきた
写真7●ケーブル端を示す黄色いブイ(矢印のところ)が見えてきた
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写真8●ケーブル端が岸に到着<br>中央の3人の作業員のすぐ右にある黄色いテープが巻いてある部分がケーブル端。
写真8●ケーブル端が岸に到着
中央の3人の作業員のすぐ右にある黄色いテープが巻いてある部分がケーブル端。
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写真9●船から届いたワインで陸揚げを祝うセレモニー<br>ワインをかけているのは,KDDI執行役員の安田豊技術統括本部長。後ろには,同社の渡辺氏のほかパックネットサービス・ジャパンの岡田智雄代表取締役会長,NEC執行役員常務の大谷進取締役も参列している。
写真9●船から届いたワインで陸揚げを祝うセレモニー
ワインをかけているのは,KDDI執行役員の安田豊技術統括本部長。後ろには,同社の渡辺氏のほかパックネットサービス・ジャパンの岡田智雄代表取締役会長,NEC執行役員常務の大谷進取締役も参列している。
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 海岸線からKDDI千倉海底線中継センターまでの距離は数100m。その分の長さのケーブルが,ショベル・カーで海岸に引き上げられた。海岸から中継センターまでは,地下のとう道を通るパイプにケーブルを通す(写真10)。10時30分には,パイプへ引き込むための準備として,ケーブルを1カ所に巻いていく作業が始まった。

 ケーブルは鋼線で覆われて頑丈にできているとはいえ,急な角度で曲げると内部の光ファイバが断線する恐れがある。ケーブルの重さが1m当たり約6.5kgもあるにもかかわらず,巻き取り作業は重機を使わずに作業員の手でていねいに進められた(写真11)。「上げろー」と現場監督がメガホンで呼びかけると,行列となった30人以上もの作業員がケーブルを抱えて,歩き始める。その後,“ねじれ”を防ぐため,砂浜に大きな8の字を描くようにケーブルを置いていく。

写真10●ケーブルを引き込むとう道の入り口とKDDI千倉海底線中継センターの局舎<br>右手前の鉄板で囲まれた部分がケーブルを引き込むとう道。左奥の塔が立っている建物が中継センター。
写真10●ケーブルを引き込むとう道の入り口とKDDI千倉海底線中継センターの局舎
右手前の鉄板で囲まれた部分がケーブルを引き込むとう道。左奥の塔が立っている建物が中継センター。
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写真11●人手でケーブルを巻き取る
写真11●人手でケーブルを巻き取る
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