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 物理インフラ機器について,異常通知や閾値による監視だけを行っていても十分な管理とはいえない。地球温暖化対策の面からデータセンターにおける省エネや効率化の意識は高まっており,メンテナンスや運用だけでなく,計画段階から消費電力のランニング・コスト管理を行う必要がある。特に問題となるのが容量管理だ。

 設計時にファシリティ側が想定した容量を把握せずに,IT管理者の自由裁量でIT機器を搭載していくと,すぐに容量不足に陥いる。例えば,以下のような質問をIT管理者が受けたとしても回答できるだろうか。まして,ファシリティ管理者すら回答には時間がかかるはずだ。

・データセンター内のどこに次のサーバーを配置すれば,既存機器の可用性に影響を与えないで済むか?
・電力や空調の可用性の面から,導入したいIT機器を配置するのに最適な場所はどこか?
・UPSの冗長性やバックアップ時間などの安全マージンに悪影響を与えることなく,新たに機器を設置することができるか?
・障害が発生している状態や点検中の状態でも,電力または空調機能の冗長性が確保できるか?
・ブレードサーバーなどの新しいハードウエア技術を,既存の電力や空調インフラを使って配置できるか?
・信頼性の高い運用を確保するには,ブレードサーバーを分散して配置する必要があるか?
・現在の電力,空調インフラがどの時点で限界に達し,追加容量が必要になるか?

常に現状を把握してシミュレーションする

 現在,多くのデータセンターで,IT機器の新規導入や入れ替え,移動が発生している。しかし,将来的な拡張を見込んで余裕を持った電力や空調設備を設けたつもりでも,相互の機器の接続やラック内のスペース管理,特に電力容量や冷却性能の管理が煩雑となって,新規の導入が行えないケースが目立ってきている。今後,サーバーの高密度化や仮想化が進むと,さらに電力や冷却のキャパシティ管理が重要になるだろう。

 キャパシティは図1のような考え方で冗長性を確保すべきだが,電力や冷却の現状の容量を把握し,実際の稼動を想定したシミュレーションを行うことが,高効率な物理インフラの環境を維持していく上で欠かせない。

図1●キャパシティの考え方
図1●キャパシティの考え方

エーピーシー・ジャパン ビジネス・デベロップメント部/サービス事業部 ソリューションエンジニアリング部
UPSや冷却装置,ラック,環境監視システムを提供するエーピーシー・ジャパンにおいて,データセンターで利用する製品の提案や設計,販売を推進している事業部。ラックの設置や運用ノウハウを持ったメンバーが多く所属する。