PR

NTT東日本がフレッツ 光ネクストの接続メニューに,下り方向の最大通信速度を200Mビット/秒まで高めた「ハイスピードタイプ」を追加した。料金は100Mビット/秒の従来サービスと同じ。料金面でのユーザーへの還元というよりも,高速化が進展する競合サービスへの対抗意識の現れと言えそうだ。

 2009年10月1日に開始した新サービスは,下り方向の通信速度が最大200Mビット/秒で,上り方向は従来と同じ100Mビット/秒。戸建て向けの「フレッツ 光ネクスト ファミリー」と,集合住宅向けのうち各戸を光ファイバで接続する「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ(光配線方式)」に追加した。料金は,従来の100Mビット/秒までのサービスと同額である。

 NTT東日本は,「ハイスピードタイプ提供に当たって特にネットワーク構成を変更したわけではない」と,説明する。ユーザー宅内機器のONUと収容局側のOLTの間で設定する,回線速度の上限値を変更するだけで実現したようだ(図1)。このため,既存ユーザーも,通信機器の交換といった工事をせずにハイスピードタイプに契約を切り替えられる。LAN側に100Mポートしか持たないONU内蔵ひかり電話対応ルーター「PR-200NE」1機種だけは交換が必要だが,設置台数は約1万7000台で,影響は少ないと見ている。

図1●フレッツ 光ネクストに最大200Mビット/秒のハイスピードタイプを追加<br>NTT東日本が戸建て向けと集合住宅向けに提供開始した。
図1●フレッツ 光ネクストに最大200Mビット/秒のハイスピードタイプを追加
NTT東日本が戸建て向けと集合住宅向けに提供開始した。
[画像のクリックで拡大表示]

CATVの高速タイプ「160M」を意識

 NTT東日本は,「新規加入者には基本的にハイスピード・タイプを勧める」。ただ,ユーザーがハイスピードタイプでインターネットを使うには,インターネット接続事業者(ISP)側も対応メニューを契約する必要がある。10月初旬時点ではKDDI,USEN,フュージョン・コミュニケーションズなど一部に未対応のISPがあるため,従来の100Mビット/秒のメニューも継続販売する。

 今回のハイスピードタイプの追加は,事業計画の線表上になく突然登場したもので,腑に落ちない点もある。例えば,100Mビット/秒から200Mビット/秒への高速化にどれだけニーズがあるかという点。NTT東日本は,「映像配信やホームICTなど大容量通信を快適に利用できるようになる」としているが,的を射た説明とは言い切れない。映像配信で言えば,NTTぷららの「ひかりTV」では,地上デジタル放送1チャンネルを14Mビット/秒前後のビットレートで配信しているが,従来サービスで「ひかりTVを視聴しながらパソコンでネットを利用しても問題はない」と説明してきた。「パソコンと同時に利用して映像が乱れるといったクレームは出ていない」(NTTぷらら)という。

 高速タイプ追加の狙いは,新規加入の獲得競争において,他のブロードバンド・サービスに対するスペック上の劣勢を挽回することにあると言えそうだ。NTT内部からは,「“200M”という数字は,CATVインターネットの最大通信速度160Mビット/秒を意識したもの」という声も聞こえる。

 他社のギガ級サービスと激しい競争を繰り広げるNTT西日本がハイスピードタイプの提供を見送ったことも,その意図を裏付ける。西日本地域では,CATVインターネットの高速化は東日本地域ほど進んでいない。NTT西日本は「東日本地域とは市場環境が異なる。提供については市場動向を見ながら検討する」と,対応予定が白紙であることを示唆する。