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専門学校 HAL東京 校長(元IPAソフトウェア・エンジニアリング・センター所長) 鶴保征城氏
専門学校 HAL東京 校長(元IPAソフトウェア・エンジニアリング・センター所長) 鶴保征城氏
(写真:柳生 貴也)

 ソフトウエア工学の知見を持つ会社を探し出して最初から頼めば,余計なコストを削減できる──。ソフト工学の権威である専門学校 HAL東京 校長(元IPAソフトウェア・エンジニアリング・センター所長)の鶴保征城氏は,ユーザー企業にこう助言する。(聞き手は,田中 淳=ITpro)

今こそ,コスト最適化にソフト工学の知見が生かせるのでは?

 ソフトウエア工学(エンジニアリング)には2つの側面があります。1つは管理技術としての側面。様々な指標の定量化や開発プロセスなどです。

 もう1つは設計技術としての側面です。エンタープライズ分野ならアプリケーションやデータベースをどう設計するか,組み込み分野なら状態遷移図をどう書くか,といった話です。どちらも,その先には自動化という目標があります。コードを生成する,あるいは部品を生成するといったものです。

 IPA(情報処理推進機構)ソフトウェア・エンジニアリング・センターの第1期(2004~6年)は管理技術を中心に進めました。続く第2期(2007年~)では設計技術に焦点を当てています。管理技術はもちろん重要ですが,設計そのものをもう一度きっちりやらないといけないと考えたからです。

設計に問題がある情報システムが多いということですか。

 まだメインフレーム(大型汎用コンピュータ)を利用している企業はたくさんあるでしょう。後生大事にうまく使いこなしてきたということです。それで結局捨てられない,捨てるのはもったいない,となっています。

システムがスパゲティ化

 使えるシステムを捨てるのがもったいないという気持ちは分かりますが,ITの世界は技術革新が本当に激しい。技術革新に応じて,適当なタイミングでシステムを入れ替える。一挙にすべてでなくても,要素ごとに作り替えていく。こういう考え方がないと,システムはきれいにならないんですよ。

 現状では,システムを捨てられずに,システムがスパゲティ状になっているケースが多いと思います。技術力やノウハウが不足して,中身が分からなくなり,後付け後付けで余計にスパゲティ化しているわけです。

 例えば,データベースを更新・照会するという簡単な処理なのに,外付けのサーバーを5台も10台も経由しないと結果が返ってこない,というシステムがあります。同じような顧客データベースを複数のシステムで抱えている,というのも外付けの弊害です。