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 挨拶は人間関係の起点です。来客者相手でも,同僚同士でも,上下関係にかかわらず自分から積極的に行うことで,良い人間関係を築くことができます。朝なら「おはようございます」,退社時は「お先に失礼します」と,積極的に挨拶しましょう。

 ただし,選択肢3の「ご苦労様です」という表現には要注意です。「ご苦労様」は,元々,目上から目下への労いの言葉です。つまり,上司や来客者に「ご苦労様」と挨拶するのは不適切なのです。

 選択肢1の「ただいま帰りました」は,上司に対して帰社後すぐに行う挨拶としては適していますが,来客者が一緒にいるのに来客者への挨拶よりも上司への挨拶を優先するのはよくありません。上司と来客者であれば,目上にあたるのは来客者です。ですから,挨拶の優先順位としてはまずは来客者,その後に上司です。このケースであれば,来客者に挨拶し,上司がデスクに戻ってきてから,上司に挨拶するのが最適です。

 来客者への「いらっしゃいませ」という挨拶(選択肢2)は適切です。自分に面識がない人でも,来社しているのであれば会社のお客様であることに変わりはありません。もし来客者が帰る間際だったとしても「いらっしゃいませ」で問題ありません。上司が来客者の見送りをしているであれば,「ありがとうございました」と一緒に見送りをしてもよいでしょう。

 選択肢4は挨拶をしていませんが,場合によっては的確な判断です。上司と来客者の会話を中断させてまで,挨拶をするのはマナー違反だからです。黙礼(挨拶せずに行うお辞儀)をして,声をかけられそうなら「いらっしゃいませ」と挨拶し,相手も黙礼だけで話を続けていたら挨拶はしない---という判断をしてもいいでしょう。

 挨拶は誰にでもできる行動だからこそ,できていないと目につきます。年齢や社歴に関係なく,自分から積極的に行いましょう。

森 美緒(もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント,産業カウンセラー
1999年,教育出版社に就職し,営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て,2005年にグローバル ナレッジ ネットワークに入社。2006年より現職。ビジネスマナー,プレゼンテーション,コミュニケーションなどのヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。