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 プロジェクト現場の息遣いが聞こえてくる本だ。サブタイトルに「幸福な物語」とあるがフィクションではない。「泥臭い,格好悪いエピソードが多いのですが,包み隠さず書きました」(「はじめに」より)とある。すべて本当のことを,当事者目線で語られている。だからおもしろい。

 舞台は,古河電気工業の人事業務刷新と,それに伴うシステム構築プロジェクトである。著者の2人はプロジェクトの中心人物で,古河電気工業 システム部門(当時)の関氏と,コンサルタントとしてプロジェクトにかかわったケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの白川氏である。システム稼働まで2年を費やしたこのプロジェクトの説明会は230回,会議は2300回行ったという。プロジェクト運営のノウハウ本としても読めるが,著者らがプロジェクトの課題に直面したときに何を思ったのか,そのリアリティこそが本書の一番の読みどころだろう。

プロジェクト ファシリテーション

プロジェクト ファシリテーション
関 尚弘/白川 克共著
日本経済新聞出版社発行
1890円(税込)