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ガイアックスの鳥居晋太郎・執行役CTO
ガイアックスの鳥居晋太郎・執行役CTO
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 企業向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)システム開発やパトロールサービス(ネットの投稿監視サービス)などを手がけるネットベンチャー企業、ガイアックスで鳥居晋太郎執行役CTO(最高技術責任者)は技術と社内情報システムを統括している。東京大学工学部の学生時代に、学生仲間と一緒にガイアックス創業に参画した。その後いったん住友商事に就職し、情報システム部門でERP(統合基幹業務)システム構築などに携わった。「ベンチャーに戻りたい」という理由から、2005年12月にガイアックスに再入社した。

 同社の事業の柱の1つであるパトロールサービスは、電子掲示板やSNSなどのオンラインコミュニティーが対象だ。いわゆる「学校裏サイト」のように、いじめや犯罪につながる書き込みを発見して教員などに報告している。同サービスのために専任スタッフ150人前後が24時間365日体制でシフト勤務し、書き込みを目視している。「人手に頼る泥臭い事業だが、人員を増やすことなく抜け・漏れを無くすよう情報システムの使い方を工夫している」と鳥居氏は説明する。

 オンラインコミュニティーの完全な自動監視は難しい。学校裏サイトなどでは隠語が使われたり、人間が目で見なければ分からないような画像が投稿されたりするからだ。鳥居氏は、人員を増やすことなく監視精度を上げるために、不審な書き込みの抽出やチェック履歴の記録、報告書の作成などの業務は自動化するシステム改良を進めている。ただし「担当者のシフト管理や勤怠管理などの自動化はしない。機能としてあれば便利だが、費用対効果が出にくい」(鳥居氏)。費用対効果が優れる機能だけに投資する方針を徹底しているのだ。

Profile of CIO
◆経営トップとのコミュニケーションで大事にしていること
・上田祐司・代表執行役社長は情報システムについて細かくは関与しません。そのほかの経営メンバーも技術的な予備知識は無いという前提で、技術の言葉を経営の言葉に置き換えて投資対効果やリスクを説明するようにしています。最終判断はあくまで経営メンバー全員でします
・ノウハウ・アイデアなど私が思いついたことはこまめにWiki(ウィキ)ベースの社内システムに書き込んで情報共有するようにしています

◆ITベンダーに対して強く要望したいこと、IT業界への不満など
・最近営業管理システムを構築しましたが、適切なソフトウエアがなかなか見つかりませんでした。当社はネット系ベンチャーとはいえ、営業管理システムは得意分野ではないのでパッケージソフトを使いたかったのですが、商材や営業体制などの変化に即応するためのカスタマイズ性も必要になります。技術情報がオープンになっていて自社で自由にカスタマイズできるものがなかなか見つかりませんでした
・これはIT業界ではなく政府・当局への要望ですが、日本版SOX法・内部統制対応はやはり大変でした。もう少し制度が見直されるとありがたいと思います。管理会計・原価管理の仕組みなども含めて整備しましたが、当社のような新興市場上場企業(名古屋証券取引所セントレックス上場)にとって相当な負担になりました

◆最近読んだお薦めの本
・『火天の城』(山本兼一著、文春文庫)。こういう歴史小説が大好きです。織田信長の安土城築城を担った大工が主人公で、エンジニア魂をくすぐられます。無理難題が降りかかってきて、それを解決するプロセスが興味深く描かれていました
・『弁証法はどういう科学か』(三浦つとむ著、講談社現代新書)

◆仕事に役立つお薦めのインターネットサイト
・「はてなブックマーク」などを手掛かりに個人ブログをよく読みます
・インターネット協会が運営する違法・有害情報の通報窓口「インターネット・ホットラインセンター」を常にチェックし、ネット上で起きているトラブルの把握に努めています

◆情報収集のために参加している勉強会やセミナー、学会など
・YAPC::Asia(プログラミング言語Perlの国際会議)
・知の創造的摩擦プロジェクト(東京大学の現役生と卒業生の交流活動)

◆ストレス解消法
・息子と一緒に外で遊ぶことを楽しんでいます。とはいえ基本的にはインドア系で、将棋なども好きです