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 米Microsoftは「ライバルに譲歩する」という状況が当たり前になりつつあるなか,2009年12月第1週,Webブラウザ開発のノルウェーOpera Softwareからの追加要求をのんだ。Microsoftが欧州向けWindowsへの搭載を予定している「ブラウザ選択画面」の仕様変更をまたしても受け入れたのだ。これにより画面に表示されるWebブラウザの順番がランダムになり,一番人気のWebブラウザでも先頭に掲載されるとは限らなくなる(関連記事:Microsoft,「当社のクラウド・コンピューティングを使うな」)。

 これはブラウザ選択画面で,Operaブラウザが不釣り合いに目立つ場所を手に入れることを意味する。2009年10月におけるOperaのシェアはわずか1.5%で,ライバルのブラウザから大きく引き離されている。正直に言ってOperaはこの選択画面の中にすら入らないような存在だ。だが,OperaはMicrosoftの行為が競争法違反であると初めて欧州連合(EU)に訴えた企業であり,ユーザー数の多いWebブラウザを提供する米Appleや米Google,Microsoft,米Mozillaと同列に扱われている(関連記事:Opera,MicrosoftをECに提訴,WindowsへのIEバンドル禁止などを要求)。

 今回の仕様変更についてはMicrosoftもEUも公式には明らかにしていないが,この問題に詳しい多くの関係者の証言や,EU幹部が最近出した声明から判断すると,すでに合意済みと思われる。EUの執行機関,欧州委員会(EC)競争総局(Directorate General for Competition)のPhilip Lowe氏はこの件について質問され,「市場テストで指摘された問題は解消しており,確実な対策に向けての準備は整った。Microsoftとの協議は終わった」と認めた。

ブラウザ選択画面を通常のウィンドウに変更

 なお,Microsoftは小さな譲歩をもう1つしている。当初の試作デザイン段階では,このブラウザ選択画面を「Internet Explorer(IE)」の中で表示させようと考えていたが,これを通常のアプリケーション・ウィンドウで表示するようにした。こうした変更がEUの競争法担当委員に受け入れられるとすれば(EUに認められるのは確かに事実のようだ),Microsoftは最大の重荷となっているEUの競争法違反問題を2009年中に解決できるだろう。EUは12月15日に委員を招集し,最終投票を行う。

 仕様変更の話がまとまれば,Microsoftは欧州のユーザー向けに「Windows 7」「Windows Vista」「Windows XP」アップデートをダウンロード提供する。時期は2010年10月リリース予定のWindows 7 SP1に合わせるだろう。このアップデートを適用したWindowsではブラウザ選択画面が表示されるようになる。また今後EU域内で出荷されるWindowsは初期状態でこの画面を備えることになる。