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 2009年10月22日の「Windows 7」発売イベントで一際目を引いたのが、PC画面を指で触って、動画を自由自在に操作するデモ。この技術を開発したのがLoiLo(ロイロ)だ。IPA(情報処理推進機構)の未踏ソフトウェア創造事業で「天才プログラマー/スーパークリエータ」の認定を受けた杉山竜太郎氏と、バンダイナムコゲームスなどで経験を積んだグラフィックソフト開発者の杉山浩二氏の兄弟が創業した。LoiLoが目指すソフトの方向性などを杉山竜太郎氏に聞いた。(聞き手は玉置亮太=日経コンピュータ)

LoiLoの主力事業は何か。

 「LoiLo Scope」をはじめとした動画編集ソフトの開発・販売だ。動画編集ソフトは今後、ますます重要になる。動画共有サービス「YouTube」が普及したことで、PCで動画を見たり探したりすることが当たり前になったからだ。「Facebook」などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で動画を共有するといった、新しい使い方も出てきている。

 インターネットに動画を投稿するためには、必ず編集しなければならない。投稿できる動画の長さが10分間と決まっていたり、解像度の制限があったりするためだ。元の動画のサイズを変更(トリミング)するなどの簡単な作業を、手間をかけずにできるようにしたい。

競合製品は多い。LoiLo製品の特徴は何か。

 二つある。一つはGPU(グラフィック処理プロセサ)を使った高速な動作だ。LoiLo ScopeはGPUの能力をフル活用し、動画に特殊効果(エフェクト)を施したりトリミングしたりする作業を、リアルタイムに実行できる。競合他社製品はCPUでグラフィック処理も実行しているため、動画の読み込みや編集に時間がかかる。

 当社製品と他社製品の内部構造は、それこそ南極と北極くらい違う。例えば単純な再生処理の速度は、CPU処理をする競合製品に比べて10倍ほど速い。1920×1080ピクセルのフルHD動画でも、全くストレスなく編集できる。

 GPUプロセッシングは今、研究開発がとても盛んな分野だ。元々はMacintoshが先行していたが、Windows VistaがGPU処理を採用し、最新版のWindows 7ではグラフィック処理が非常に高速になっている。CPUのマルチコア化が進んでいるが、現在の主流は4コア。これに対してGPUはすでに240コアが登場している。LoiLo Scopeは、GPUが持つ並列処理能力を活用している。

 もう一つは、誰でも使える簡単なユーザーインタフェース(UI)だ。画面構成はアイコンを基本にしている。机の上で書類を分類するようにアイコンを仕分けたり、「マグネット」状のアイコンに動画をくっつけて整理したりができる。整理した素材を画面下の「タイムライン」欄に入れたら、自動的に連続再生が始まる。