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 IFRS関連ビジネスでは、コンサルティングの後にさらに大きなシステム構築市場が控える。SIの受託金額は一般に、システムコンサルティング費用の10倍といわれる。

 システム構築サービスの中心は個別や連結の会計システムの刷新である。日本の会計基準だけでなく、IFRS準拠の財務諸表を出力する必要がある。具体的には「複数元帳」「セグメント情報の開示」「過年度遡及」といった機能がシステムに求められる。

 リース会計や固定資産管理など、会計システムに入力するデータの前処理に使う会計サブシステムの刷新も求められる。こうしたシステムは、減価償却の条件やリース物件を取り扱う規定の変更に伴って、プログラムを作り変える必要がある。販売管理システムや在庫管理システムなどの業務システムも、在庫の定義や売り上げの計上基準が変わるため、変更しなくてはならない。

図●今後IFRS対応するパッケージソフトを販売する際、メーカーにチェックすべき項目
図●今後IFRS対応するパッケージソフトを販売する際、メーカーにチェックすべき項目
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 パッケージソフトを使ってシステムを導入するとき、こうした機能の有無をソリューションプロバイダはメーカーに確認すべきである()。

 会計サブシステムや会計以外の業務システムについては、システムを変更せずに手作業で対応するという選択肢もある。

 「この場合、財務報告の作成に恣意が入りやすく、内部統制の不備と監査法人から指摘を受ける可能性がある」とビジネスブレイン太田昭和の目黒正行IFRSコンサルティング推進室長は話す。この点からシステム化を促すのがよいだろう。

ERPソフトの提案に結び付ける

 変更が必要な業務システムを刷新する際、有力な候補になるのがERP(統合基幹業務システム)ソフトである。SAPやオラクルといった外資系企業のERPソフトは、既に最新バージョンでIFRSに対応している。パートナー企業への支援策を打ち出すメーカーもある(末尾の別掲記事を参照)。

 「今でも独自開発したアプリケーションを使っている企業は多い。こうした企業にERPソフトを提案していく」。IFRS対応のシステム構築を手掛ける三井情報の土屋哲雄役員待遇フェローは、こう話す。

 ISIDは2009年3月から始めたSAPのバージョンアップ支援サービス「Panaya(パナヤ)」の拡販を狙う。同サービスでは、SAP製ERPソフトが動く顧客のシステムを解析。標準プログラムとアドオンの関係を分析し、バージョンアップした際に、どの程度影響があるかを評価する。PanayaはイスラエルのパナヤがASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供するもの。ISIDが国内で初めて代理店契約を結んだ。今後1年間で10社の顧客獲得を狙う。

 TISでは、SAPとオラクルのERPソフトを導入する部隊が今年6月から連携し、IFRS関連のパッケージ提案に当たっている。中村エンタープライズソリューション第1部長は「TISとしてのソリューション体系を9月までに整える」と語る。

 国産のERPソフトを見ると、外資系製品ほどIFRSに対応しているとは言い難い。IFRS対応のバージョンアップが、保守費だけで対応できるのか追加費用が発生するのかもまだ定かではない。

 国内の商習慣に配慮した製品が多いとして、国産製品を望む企業は少なくないが、IFRS対策として提案に利用するにはもう少し時間がかかりそうだ。

■変更履歴
記事公開当初,小見出し「ERPソフトの提案に結び付ける」の下3段落目で「ISIDが国内で独占代理店契約を結んだ」とあったのは「ISIDが国内で初めて代理店契約を結んだ」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/12/16 12:45]