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 2015年にも見込まれるIFRS(国際会計基準)の全面採用を受け、会計関連パッケージの開発会社が相次ぎ対応計画を発表した。11年にもIFRS対応連結会計ソフトやERP(統合基幹業務システム)パッケージを投入、転換需要の先取りを狙う。

 クレオは2009年10月20日、同社のERPパッケージ「ZeeM」のIFRS対応をにらんだ製品計画を発表した。11年12月にIFRSのアダプション(全面採用)対応バージョンを出荷する。連結会計ソフト「DivaSystem」を擁するディーバや、「STRAVIS」の電通国際情報サービス(ISID)はすでに、10~11年を目指してアダプション対応製品を出すと発表済みだ()。

図●IFRS(国際会計基準)対応の計画を明らかにした会計関連パッケージの主な動き
図●IFRS(国際会計基準)対応の計画を明らかにした会計関連パッケージの主な動き
カッコ内は製品名
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 各社がアピールしているのは、IFRSと日本の会計基準の両方で会計情報を保持できる機能や、IFRSが規定する財務諸表を出力できる機能だ。

 ZeeMはアダプション版で両方の機能を実装する。ディーバは10年中に出荷する「トライアル版」でIFRSに基づいた財務諸表の作成機能を追加し、11年中に出荷予定の「アダプション版」でIFRSと日本の会計基準の両方に対応した財務諸表を自動作成できる機能を追加。ISIDも10年内に出荷する製品でIFRSに基づいた財務諸表を表示できるバージョンを出荷する計画だ。

 外資系の日本インフォア・グローバル・ソリューションズも10年内に複数の会計基準に基づいた会計情報を保持できる機能を実現するソフト「AGL(アドバンスト・ゼネラル・レジャー)」を投入する。

 各社が2015年に先駆けて製品を出すのは、10年3月期以降の決算からIFRSを採用する早期適用が可能になるためだ。実際に適用する企業はほとんどないものの、大企業を中心に準備は始まるとみられる。

 アダプションが始まると、連結財務諸表はIFRS、単体の決算書類は現行の日本の会計基準で作成する必要がある。IFRSと日本の会計基準では財務諸表の様式も異なる。クレオの大矢俊樹取締役は「複数基準に基づいた会計データの保持や、財務諸表の変更はシステムに大きな影響を与える」と説明する。

 さらに各社は、日本の会計基準をIFRSに収れんさせる「コンバージェンス」にかかわる機能の強化も進めている。その一つである、11年3月期から適用になる「セグメント開示」についてはクレオやディーバが対応計画を表明した。セグメント開示は、「製品別」「事業別」といった経営者が意思決定をする区分での開示を求める会計基準だ。

 会計関連パッケージ市場では、すでにIFRSを適用している欧州で実績がある外資系製品が先行している。日経BPコンサルティングの調査によると、IFRSを認知しているIT専門家2460人のうち、53%が「IFRSに対応すると、会計システムの改修を要する場合がある」とみる。各社とも早期の製品出荷により、システム改修需要の取り込みを目指す。