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 新しいことを始めてほしい、新規事業を軌道に乗せてもらいたい─。不況続きで突然、こうした命令を受けるビジネスパーソンも多いだろう。全く経験のない新規事業開発は、何から始めればいいのか。セプテーニ・ホールディングス代表取締役に就く佐藤 光紀 氏は、七つの軸を考えたという。(日経コンピュータ、文中敬称略)

(写真:菅野 勝男)

 インターネット広告のセプテーニ・ホールディングスは9月30日、代表者の交代を発表した。12月中旬に専務取締役の佐藤光紀が代表取締役社長に就任する。セプテーニ・ホールディングスは13年前に新卒として同社の門を叩いた佐藤に、今後の舵取りを委ねることとなった。

 セプテーニ・ホールディングスを売上高300億円の規模にまで導いた最大の功績者は佐藤である。10年前にセプテーニ(現セプテーニ・ホールディングス)で新規事業を始め、同事業をインターネット広告代理店の国内3強の一角に育て上げた。

 当時、小さなベンチャー企業だったセプテーニで求人関連の営業などをしていた佐藤は、仕事をすることの楽しさに目覚めた。昼夜を問わず猛烈に働いた結果、入社3年で自身の目標だった粗利1億円を達成。仕事への情熱を持て余していた。独立することも考えたが、会社に残って全くのゼロから新規事業を開始することにした佐藤は最初に、「七つの軸」を設けた。

 まずは「好きこそ物の上手なれ」が人を動かす最大の原動力なので、「(1)自分がやりたいこと」でなければ自身が心から真剣に取り組むことはできない。また、世の中から必要とされなければ存在意義がないので、「(2)やるべき大義名分があること」も必要だ。

 当然、「(3)儲かること」でなければ事業も企業も存続できない。「(4)新たな成長産業であること」も重要だ。特に、これから作られていく市場性がなければ、市場の低迷とともに事業も立ち行かなくなる。仮に成長産業であっても先行者が多数活躍する古くからある市場であれば、経験の少ない佐藤らでは勝負にならないし、「(5)一番になること」もできない。より高みを目指すことができなければ、人のモチベーションを維持することもできない。

 そして会社の構成要素であるヒト、モノ、カネの中でも特に「(6)優秀な人材が集まる事業であること」が欠かせない。それには、一大産業の創出を担う意識を持てる「(7)誇れる仕事であること」が決定打となると考えた。

 これら七つの軸をすべて満たしたいくつかの事業の中から、市場調査をした結果、インターネット広告事業を選んだ。既存のテレビや新聞・雑誌などの広告がパソコンのインターネットメディアや携帯電話に掲載されるバナー広告などに置き換わることで、インターネット広告の市場性が高いと判断したからである。未開拓な市場で優秀な若者も集まると考えた。

 「仕事は人生の大半を使うのだから、後世に伝わるようなエクセレントカンパニーの礎となる事業にしたかった」