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当面はSAP、中期的には高信頼性

 当面の買収先は、独SAPのERP(統合業務システム)パッケージの導入を手掛ける企業と、決済などの社会インフラサービスを手掛ける企業である。2008年の独アイテリジェンスや、今年9月の豪エクステンドテクノロジーズの買収はSAP関連事業に着目したものだ。

 SAP関連事業の拡大の先に見据えているのが、サービス事業の強化だ。NTTデータが手掛けている金融向け決済サービスのノウハウを生かし、海外でも同種の決済サービスを展開する。

 「海外でも決済サービスは必要。日本で培った信頼性の高いサービスを提供できれば勝算はある」と榎本副社長は語る。

 NTTデータは2005年11月から、海外のソリューションプロバイダの買収を急ピッチで進めてきた。2008年1月に売上高262億円(当時)のドイツのアイテリジェンスを買収。米国、インド、中国、オーストラリアで買収を実施している。

 2008年10月には、独BMWのシステム子会社である独サークエントの買収に踏み切った。同社の2007年12月期の売上高は約480億円で、買収金額は数百億円規模とみられる。

 NTTデータにとって過去最大となったサークエントの買収について、榎本副社長は「欧州ビジネス拡大の足掛かりを得ることができた。BMWという現地の大手顧客を獲得できた意味は大きい」と言う。

 1兆5000億円の売上高を達成するために必要なのは海外事業の成長だけではない。国内事業も1200億円伸ばす必要がある。

 この点について、山下社長は「国内で2%成長を続ければ実現できる数字。2%というのは国内市場の平均成長率と同じ程度であり、決して難しいものではない」と語る。

 売り上げの拡大にはシステム開発人員の充実が欠かせないため、オフショア要員の数も拡大する。現在、中国で1100人、インドで300人のオフショア要員を、2012年度までに約2倍の合計3000人体制にまで拡大する(文末の別掲記事「オフショア3000人規模へ」を参照)。

サービスとソフトで拡大

 規模の拡大と並行してNTTデータが実現させようとしているのが、売上高比率の変革である。SIが75%で圧倒的に多い構成を1兆5000億円の達成時には、SIで50%、サービスで30%、ソフトで20%の比率に変える(図3)。

図3●事業内容の売上高構成比率
図3●事業内容の売上高構成比率

 サービス事業の拡大に向け、決済サービス手掛ける海外企業の買収のほか、インフラのアウトソーシングサービスの強化を進める。7月に新設したソリューション&テクノロジーカンパニーが受け持つ。

 「今はデータセンターやITインフラそのものがサービスとして売り物になる時代。これらを強化するためにソリューション&テクノロジーカンパニーを作った」と山下社長は話す。

 もう一つ、ソフト事業の拡大のために、NTTデータが力を入れているのが、パッケージソフトを使った事業の拡大である。

 2009年6月には、専任の子会社であるNTTデータビズインテグラルを設立し、自社製と他社製のアプリケーションを組み合わせた業務アプリケーション群の「Biz∫(ビズインテグラル)」の販売を本格化させた。

 子会社のNTTデータシステムズで開発するERPパッケージの「SCAW(スコー )」だけでなく、ウイングアークテクノロジーズ製のBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトや、東洋ビジネスエンジニアリング製の生産管理ソフトなど、他企業のアプリケーションもBiz∫には含まれる。今後1年で5種類までソフトのラインアップに拡大する。

 NTTデータビズインテグラルの中山義人社長は「Biz∫に入っているアプリケーションは、いずれも1000社以上の導入実績がある。各社でクロスセリングして、Biz∫を普及させる」と話す。

 「本格的に営業を開始してからまだ半年もたっていないが、確度の高い見込み客だけで30社に達した。2012年までに100社導入という当初目標は前倒しで達成できそうだ」と同氏の鼻息は荒い。