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 世界基準の企業になるには、売上高を求めるだけでは不十分。単純に買収で規模を拡大すると経営効率は悪化していく。経営体質の強化は同社にとって永遠の課題である。国内外に144社あるグループ会社の利益率向上は避けて通れない(図1)。

図1●NTTデータが実施する組織強化の施策<br>カンパニー制を採用し、事業が重複していたグループ会社を整理・統合。キャリアプランも統一して企業体質を強化する
図1●NTTデータが実施する組織強化の施策
カンパニー制を採用し、事業が重複していたグループ会社を整理・統合。キャリアプランも統一して企業体質を強化する
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 2009年1月にNTTデータグループ入りしたJSOLの小名木正也社長も「本体とグループ会社との事業連携がまだ不十分。結果として重複したソリューションを複数の組織で抱えている。当社は自ら働きかけて本体との連携に努めているが、もっと戦略的に動いてもらいたい」と話す。

 NTTデータもグループ会社の再編に動き出した。事業が重複するグループ会社を統合し、間接費を削減して経営効率を高める。

 この1年間で26社を8社に統合・再編した。事業や対象の顧客が重なる主な子会社同士をまとめる。統合によって間接部門のコストを圧縮し経営効率を高めると同時に、各事業領域に強みを持つ企業を作る(図2)。

図2●2009年4月以降合併した子会社。重複していた子会社を整理・統合することで経営効率を高める
図2●2009年4月以降合併した子会社。重複していた子会社を整理・統合することで経営効率を高める
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 7月1日に中堅企業向けのSAP導入を手掛ける企業として誕生した、NTTデータソルフィスはその好例といえる。NTTデータアイテックとNTTデータサイエンスという2社が合併した。統合後の売上高は約70億円になる。

子会社の能力を引き出す

 NTTデータアイテックはセイコーインスツルの、NTTデータサイエンスはパイオニアのシステム子会社だった。両社とも旧親会社向けにSAPを導入した経験があることに着目した。

 「以前の親会社への依存度合いは両社とも低かったが、合併後はさらに下がる。NTTデータアイテックのセイコーインスツル向けの案件は25%前後だったが、現在は16%程度になった。経営効率が改善しただけでなく、特定顧客からの売り上げに左右されにくい体質になった」とNTTデータソルフィスの小林健造社長は話す。

 グループ内の、NTTデータ経営研究所、NTTデータビジネスコンサルティング、ザカティーコンサルティングという3社のコンサルティング会社も統合した。今年4月に設立した中間持ち株会社「NTTデータコンサルティング」の傘下に入れたのである。

 2009年7月に、NTTデータビジネスコンサルティングとザカティーコンサルティングを統合して、年商約45億円の新会社「クニエ」を設立。NTTデータコンサルティングの谷口和道社長は「新規顧客向け営業の多いNTTデータビジネスコンサルティングと、特定の企業に深く入り込んで継続的に受注するザカティーコンサルティングが一つになり、さまざまなサービスを1社で提供できるようになった」と話す。

 人材教育にも力を注ぐ。さまざまな企業がNTTデータグループ入りしているため、人事制度はまちまちだ。そこで、NTTデータは目指すべき人材像をキャリアプランとして提示した。「今年からスタッフ部門のキャリアプランを用意し、当社グループで働くすべての職種を網羅できた」と寒河江弘信人事部長は言う。