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 IT企業など組織の活性化支援サービスを手がけるネクストスタンダード。代表の齊藤正明氏は、研究者として行き詰まっていた中で、マグロ漁船に同乗したのをきっかけに、起業家としての道を切り拓いた。齋藤氏に、技術者に必要なコミュニケーション術の基本や、劣悪な“ブラック会社”から起業に至るまでの経緯を聞いた。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ、写真は中島 正之)

(写真:中島 正之)

ネクストスタンダードが手がける事業は。

 企業における会議の活性化を支援している。具体的にはセミナーを開いたり研修をしたり、DVD教材を販売したりしている。IT企業からの評判も高い。なぜなら、技術者が多いIT企業は、技術者同士のコミュニケーションや会議の運営に悩むという大きな問題を抱えているためだ。

 会議をどう活性化するかの中核にある思想は、私がマグロ船で43日間過ごして得た漁師たちのコミュニケーション術である。確かに、マグロ船の労働環境は、世間が想像するように過酷ではあるが、その過酷さを乗り切るために漁師たちは「楽しく仕事をするための方法」をもっている。その方法を一般企業でも応用できることを書いた『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(マイコミ新書)は大きな反響を得た。

会議の議題や企画案は未熟だと割り切る

技術者のコミュニケーションにはどのような問題があり、どう解決すれば良いのか。

 技術者は「正確に回答したい」という性質をもっている。例えば、相談事や会議の議題になる企画などは、十分に練られていないことが多いが、それを論理的に考えると問題点ばかりが目につく。結果、否定的な意見や失敗するという回答にしかたどりつかない。言い方も冷たくならざるをえない。私も研究者だったので、技術者のこうした思考回路はよく分かる。

 しかし、相談事や企画案は、そもそもが未熟なものだと割り切って考えればよい。笑顔で受け答えするようにし、未熟な発想を補強する道を一緒に探そうとする姿勢を持つようにする。気持ちよくコミュニケーションするためには、日頃から周囲に好かれるような言動に努めるという大原則も欠かせない。

 こうしたコミュニケーションの大前提を考え直し実践することで、技術者たちは建設的な議論ができるようになり、会議も活性化する。日の目を見ない社内の隠れた技術やサービスが、こうしたコミュニケーションから発掘されるということは、十分にあり得る。