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 3D(3次元)CG(コンピュータグラフィック)のためのデータに着目し、その流通により新たな市場創出を目指すのがマスターピースである。同社の相馬 達也代表取締役は、「3Dデータの所有が広く普及すれば、一段上のIT利活用を促進できる」と力説する。相馬氏に、その理由や今後の事業展開などについて聞いた。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)

マスターピースでは、どのようなサービスを提供するのか。

 目指しているのは、3D形状データを用いたビジネスの新市場を創出することだ。版権者、事業者、利用者を巻き込んで新しい流通システムを構築したい。そのために、3D形状処理とデータ変換技術を持つエリジオンや、アニメやマンガの制作支援ツールを持つセルシスほか5人の出資を受け、2009年12月8日付でマスターピースを設立した。

今夏から3Dデータの所有が始まる

 まだ本格的なサービスは提供していない。2010年4月をメドに「masterpiece BIG SIGHT」を提供する計画だ。版権者と事業者、クリエイターに対して各種3D形状データを販売するためのソリューションである。masterpiece BIG SIGHTを実際に利用者が購入し、3D形状データを一般消費者が所有することが普及し始めるのは、2010年の夏から秋にかけてではないかと考えている。

 masterpiece BIG SIGHTで狙っているのは、3D形状データを有効活用することで、そこにかかわる人たちの負荷を軽減し、市場規模を最大にしつつ、利用者には新しいエンターテインメントを提供することだ。例えば、アニメやゲーム制作で用いる3D映像のデータが、もっと効率的に流通するようになれば、すでにあるデータという資産を軸にビジネスモデルを設計すればよくなる。一から何かを作るのではなくなるため、人件費や開発費などのコストを大幅に抑えられる。

 3D形状データが流通すれば、版権者は安全で収益性の高い新しいコンテンツを活用できる。事業者は新しいコンテンツ商品を扱うソリューションの構築が容易になる。そして利用者も好きなキャラクターの3D形状データを使って簡単なアニメーションを自作したり、それを動画共有ファイルへアップロードしたりできる。アニメやゲームなどと、これまでにはない関わり方をすることで、新しい楽しさやライフスタイルを享受できるようになる。

「3D」と名が付く産業は多く、すでに創出期を過ぎているのではないか。

 その認識は3Dの名を冠した複数の産業を混同した結果からくる全くの勘違いだ。私が対象にしているのは、3D形状データが必要になるCGなどである。ここ最近、注目を集めている3Dテレビや3D映画などとは異なる。

 3D CGなどの産業は拡大傾向にあったものの、ここ最近は頭打ちの時期を迎えている。それは映画やゲームなどを見れば明らかだ。3D CGの活用が行き渡り、それを使ったタイトル数が次から次ぎへと増えるという状況ではない。このままでは、3D CGなどを扱う産業は伸びない。これが当社を設立するに至った問題意識の出発点である。