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 インターネットは,いわば「情報の海」。ユーザーとして使いこなすのに,Googleをはじめとする検索エンジンは今や必要不可欠だ。本書は,その検索エンジンの数学的な理論を解説する。タイトルは「Google PageRank」となっているが,Googleに特化した内容ではなく,基礎となる理論に深く入り込んでいる。

 特に検索結果の表示順を決めるランク付けモジュールに関しては,本書以上に細かな解説の類書はないといってよいだろう。ランク付けモジュールは,リンクの連鎖をとらえてそれぞれのコンテンツを評価する。ただし,ランクが高いコンテンツからリンクが張られているとランクが高いという,一般的な原則だけでは実装はおぼつかない。ランク付けを上げるためにコンテンツやリンクを追加する作成者の操作をかわし,実用に耐える時間で計算を収束するアルゴリズムが必要なことが理解できる。

 本書の内容は高度で,完全に理解するには,大学の理系学部で学ぶ線形代数の知識が前提となる。ただ,数式を飛ばして読んでも検索エンジンについて有用な知識は得られる。Webサイトを運用しているなら目を通して損のない一冊だ。

Google PageRankの数理

Google PageRankの数理
Amy N. Langville/Carl D. Meyer著
岩野 和生/黒川 利明/黒川 洋訳
、共立出版発行
4725円(税込)